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自然地理ドラゴン
二章 追いつかない進化 - 飽食の町マーシア -
第19話 アンデッド、襲撃
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気がした。

 ――あれも武器なのだろうか?

 シドウはそのまま彼女の戦いを見つめた。
 彼女はまた一匹、スケルトンを爪で倒したようだ。
 そして崩れた骨に対し、他の魔法使いから火が飛ぶ。骨は炎に包まれた。

 彼女はその炎を確認すると、すぐ近くにいた別のスケルトンに向かって間合いを詰めていく。
 だが、そのスケルトンは少し前から彼女に狙いを定めていたようだ。詰められる前に、剣を繰り出してきた。

 高い金属音。

 彼女はそれをかわすことなく、右腕の腕輪で受け、弾いたのである。
 そして一歩だけ間合いを詰めると、頑丈な靴が着けられた左足でハイキックを放った。
 見事に右首に命中し、頸椎が飛んだ。
 スケルトンの体は、積み木が崩れるようにその場で崩壊した。

 ――なるほど。

 あの腕輪は、盾のような使い方をするモノだった。
 相手の攻撃をかわしきれない、もしくはかわさず受けたほうがよいケースで使うものなのだ。

 シドウから見ると、一歩間違えば前腕に怪我を負うため、怖い弾き方にも見える。
 だが、当の本人は涼しい顔である。相当慣れているものと思われた。

 ――あ、いけない。戦わなければ。

 つい観察に没頭してしまったシドウは、我に返ると、次の敵を求めて動こうとした。
 だがそのとき――。

「……っ!」

 左腰に鋭い痛み。
 そして振り返ると同時に頭に大きな衝撃があり、シドウは意識を失った。
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