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転生とらぶる
ガンダムW
1639話
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い。別に俺はこの件を連合軍に話すつもりはない」
「……ほう? それは何故です? 貴方達シャドウミラーは、連合軍に雇われている身では?」
「そうだな、雇われているのであって、別に連合軍に所属している訳じゃない」

 俺の口から出た言葉に、ザイードは一瞬だけピクリと反応し、数秒黙る。
 そしてやがて……ゆっくりとだが、口を開く。

「それはつまり……どういう事ですかな?」
「俺が言わなければ、暫くの間はカトルの正体が露わになる事はないだろう。少なくても、うちのメンバーからその名前が出る事はない」
「……それはありがたいですな。ですが、それを無償でやってくれるというからには、そちらにも何か狙いがあるから……そう考えても?」

 無償で自分達の為に何かをしてくれるとは思っていないのだろう。そう尋ねてくるザイードの言葉に、頷きを返す。

「そうだ。……カトルの使用していたガンダム、ガンダム・サンドロックの開発者のH教授に会わせて貰いたい。他にも幾つか条件はあるが……それが最優先だな」

 サンドロックはガンダムの中で一番単体の能力は低いが、それでもガンダムだ。
 そして何より、H教授はウイングガンダムゼロ……ウイングゼロの設計図も持っている。
 そうである以上、こちらとしてはそれを見逃す必要は全くなかった。
 だが、俺の言葉にザイードは首を横に振る。

「残念ですが、H教授は既にこのコロニーにはいません。ウィナー家からは出て行っています」
「……へぇ?」

 その言葉が誤魔化しかどうか、見極めるようにザイードに視線を向ける。
 しかし、ザイードは視線を向けられても、全く動揺した様子はない。
 これは、本当にH教授はいないのか?
 そう言えば原作でもH教授が捕まった時にウィナー家に何らかのペナルティの類はなかった。
 それはつまり、H教授が捕まったのがウィナー家とは関係のない場所だったからじゃないか?
 勿論、それでも何らかの理由からウィナー家が怪しいというのは見て取る事が出来、それが理由でビーム砲の件でウィナー家が責められる事になった……というのは、十分に考えられる。
 だとすれば、ウィナー家にH教授がいないのは確定、か?

「なら……そうだな、サンドロックが開発された場所にあるコンピュータを調べさせて欲しい」

 原作を考えれば、ウイングゼロの設計図は確実に残っている筈。
 H教授をこちらに引き込む事は出来ないが、ウイングゼロの設計図を入手出来れば最低限の仕事は果たしたと言える。

「……残念だが、それも出来ない」
「何故だ?」

 言葉遣いすら変え、苦々しげな表情を浮かべるザイード。
 まさか、これも拒絶されるとは思わなかった為、俺は目の前にいる男の表情をマジマジと見つめてしまう。

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