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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン68 覇王達の戦い(後)
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ど必要以上に奴を恐れることはない。むしろ恐れれば恐れるほどに、その感情を糧に覇王の闇はさらに増大してしまう。平常心を保ち、今のカードでできる事を考えるんだ。
 ……待てよ?そもそもなんで、覇王はこの僕のターンが始まるタイミングで心理戦を仕掛けてきたのだろう。例えばあの挑発に僕が引っ掛かったままだったとすると、どうしただろう。当然ウォーターフロントで壊獣をサーチ、さっきのターンでサーチしたガメシエルと合わせて展開、バトルさせただろう。でも、僕の手元にガメシエルがあることは覇王もよく知っている。
 もし、もしもだ。最も手軽かつ単純にダメージを与えられる方法であるそれ以外のルートを僕に考えさせないがために、この瞬間を狙い澄まして僕を怒らせようとしたんだとしたら?怒りは思考を単純にする、それを計算していたのだとしたら?

「……そりゃどうも、お褒めに預かりまして。僕のターン、ドロー。まずKYOUTOUウォーターフロントの効果を再び発動し、デッキから雷撃壊獣サンダー・ザ・キングをサーチする。そしてインフェルノ・ウィングをリリースし、そっちのフィールドに海亀壊獣ガメシエルを特殊召喚!」
「……ふん」

 海亀壊獣ガメシエル 攻2200

 インフェルノ・ウィングの姿が消え、その場所には代わりに僕が送り付けたガメシエルが居座る。後は、サンダー・ザ・キングを特殊召喚して攻撃すればいい。だけど、僕の考えが正しければ、恐らくはこのタイミングで仕掛けてくるはずだ。

「トラップ発動、マインドクラッシュ!雷撃壊獣サンダー・ザ・キングのカード名を宣言し、そのカードが相手の手札にあればそれを捨てさせる。もっとも貴様が今サーチしたばかりのカードだ、ないはずがないがな」

 サンダー・ザ・キングを墓地に送る。だが僕は、内心では会心の笑みを浮かべていた。チャクチャルさんからのヒントがあったとはいえ、ついに覇王がこちらの予想通りに動いてくれた。ほんのわずかだが確実に、これまで常に覇王と共にあった勝負の流れがこちらに傾いてきた。これであの覇王に一泡吹かせられるかもしれない、ここからが正真正銘の反撃ターンだ。

「相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、カイザー・シースネークはレベル4、攻守0として特殊召喚できる。さらに相手の壊獣に反応して、手札からもう1体のガメシエルを僕の場に特殊召喚!」

 カイザー・シースネーク 攻2500→0 守1000→0 ☆8→4
 海亀壊獣ガメシエル 攻2200

 これで、下準備は整った。グレイドル、そして壊獣。どれだけ新たな力をデッキに組み込んでも、いかなるギミックを仕込んでも、結局最後はその努力の全てがこのカードに帰結する。僕のデュエリストとしての原点にして頂点、最強無敵のマイフェイバリット。

「さあ、これこ
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