ターン68 覇王達の戦い(後)
[6/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
騎士団《ファントム・ナイツ》トゥーム・シールドは、自分のターンに除外することで相手の場に存在するトラップ1枚の効果を無効とする。従ってグレイドル・スプリットは墓地へ送られる!」
「しまった……!」
E−HERO インフェルノ・ウィング 攻3100→怪粉壊獣ガダーラ 攻2700(破壊)
頼みの綱だったスプリットを無効化され、攻撃力で劣るガダーラが炎に沈む。一時休戦により戦闘ダメージは入らないものの、その熱波は見ている僕にも届き火傷しそうなほど全身が熱くなる。
でも、今の僕はそんなことに構っている余裕はなかった。今、覇王は確かに幻影騎士団と言った。ジムのエースカードだったというガイア・プレートのみならず、ケルトの幻影騎士団まで奪い取ったというのか。怒りのあまり歯を食いしばる僕をさげすむような目で見て、覇王がいかにも馬鹿にするようにパチパチと手を叩く。
「くそっ、補給部隊でドロー!」
「貴様の洞察力……いや、その臆病は褒めてやろう。結果的とはいえ、それで命を繋いだのだからな」
「……どういうこと?」
「インフェルノ・ウィングがモンスターを破壊した時、本来ならばそのモンスターの攻守どちらか高い方のダメージを相手ライフに与えることができる。偶然とはいえそれを回避したのだから、まったく大したものだ。だが、もう一時休戦の効果も切れる。次はないと思え、カードを2枚伏せてターンエンドだ」
「この……!」
人を馬鹿にしたその物言いと冷たい声色に、さらに頭に血が上りかける。すんでのところでそれを沈めてくれたのは、僕の頭に響くチャクチャルさんの声だった。
『落ち着け、マスター。いいか、なぜ奴は言わずともいいようなインフェルノ・ウィングの効果を自分から話したのだと思う?あれはただの挑発だ、乗って理性を失えばそのまま敗北する。いいか、逆に考えてみるんだ。確かにマスターは今のターンかなり危なかった。だがそれはつまり相手にしてみれば、今のターンで仕留めきれなかったということに他ならない。マスターがイラついているのと同様、奴もまた勝負を思うように終わらせられない苛立ちを感じているはずだ。それ故にこちらのミスを誘うため、あえて心理戦に出た。敵を自分の中で必要以上に強大にすることはない。相手を見て、その力を混じり気なく見極めることだ』
説得を受けて、少し落ち着いた頭で覇王を見る。その黄色い目には全てを呑み込む怒りや悲しみといった負の感情と傲慢な王者の態度、そしてその裏にはかすかだがちらちらと苛立ちを感じる。それはそうだろう、侵攻の準備も色々とあるはずのこの時期に僕らに捕まって、しかも1度倒したはずの相手にも関わらず粘られているのだから。
そうだ、確かに覇王は強敵だが、そこに人格がある以上つけ入るすきはある。悔しいが実力差は圧倒的、だけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ