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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン68 覇王達の戦い(後)
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 怪粉壊獣ガダーラ 攻2700→覇王(直接攻撃)

 再び舞い上がったガダーラの羽ばたきが、覇王城の内部に嵐を巻き起こす。今度こそこの一撃で、この戦いも終わる……そのはずだった。
 だが、しかし。辺りの柱をなぎ倒し、調度品を窓から外に吹き飛ばす風の奔流の中で、覇王の周りだけ何かに守られているかのようにそよ風ひとつ届いていない。ダメージが、まるで入っていない。

「まさか、またネクロ・ガードナー……!」
「いや、それは違うな。よく見てみることだ」
「え?あれはまさか……そんな!?」
『クリクリ〜……』

 覇王の言葉と、その聞き覚えのある苦しげなうめき声を受け、ようやく気が付いた。覇王のフィールドで、半透明の小さなモンスターが半透明の壁を貼っている。

「ハネクリボー!?」
『ク……クリ……』

 覇王の出したあのモンスターは、入学時から十代を支え続けてきていた精霊のカード、ハネクリボー。そしてその特殊能力は、フィールド上で破壊されたターンの間プレイヤーの受ける戦闘ダメージを0にするというもの。僕のシールドクラッシュをトリガーに、このターン覇王は守られている。
 だが、純白の翼で空をパタパタと飛び回るいつもの自由そうな姿はそこにはない。全身をまるで拘束具のように闇のオーラが包み、それにより動きを封じられて空を飛ぶどころかまともに動くことすらおぼつかない、憔悴しきった様子の精霊がそこにいた。
 十代の中の覇王に封じられたのか、それともハネクリボーが十代の闇を肩代わりして少しでも主人への負担を和らげようとしているのか。僕にそれを判別する手段はないが、いずれにせよハネクリボーはもう限界に近い。早く覇王を倒してあの呪縛を断ち切らないと、力を使い果たして消滅しかねない。

「だったら、ここは……メイン2に魔法カード、一時休戦を発動。互いにカードをドローして、次にそっちのターンが終わるまであらゆるダメージを受けなくなる。さらにウォーターフロントに壊獣カウンターが3つ以上存在するとき、1ターンに1枚新たな壊獣をデッキからサーチすることができる。海亀壊獣ガメシエルを加えて、ターンエンド」

 KYOUTOUウォーターフロント(4)→(5)

 ここで覇王にもカードをドローさせるリスクは大きい。だがそれ以上に、何の準備もないまま覇王にターンを回すことは避けたかった。次の覇王のターン、僕が一時休戦を使わなかったとしても通常のドローだけで奴の手札は5枚になる。E−HEROの全体的な殺意の高さを見ると、その枚数を持たせることは危険だ。下手をすると、次のターンだけで僕のライフが削りきられる危険まである。だったらたとえ1枚のドローを許しても、次のターンに殺られる危険を排除するべきだ。
 耐えきれるかどうかわからない一か八かの賭けな
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