ターン68 覇王達の戦い(後)
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ジを0にする特殊能力を持っている。壊獣カウンターは溜まっているから固有能力も使おうと思えば使えるが、それ込みで考えても覇王のライフには届かない。でも諦めるものか、何のためにオブライエンが倒れていったと思ってるんだ。
……そこまで考えて、はっとした。そうだ、そうだった。
「覇王。まったく大したもんだよ、僕だけじゃ絶対にこの勝負、勝てなかった」
「うん?」
「僕1人だったら、勝てなかった。魔法発動、死者蘇生!」
「死者蘇生だと?今更そんなカード1枚に何ができる」
「確かにね。これがタイマンだったら、このカードでもどうにもできなかったさ。だけど覇王、敗者には敗北した時点で目もくれなくなるお前にはわからないだろうけど、僕には仲間がいる。たとえ傷つき倒れても、その戦う魂は今もこの場に残っている!僕が蘇生召喚するのは、このカードだ!」
表になった死者蘇生のカードが光り、その輝きに照らされた地面から炎の柱が噴き上がる。そしてその中心から、1体のモンスターがフィールドに蘇った。硬い鎧のような、それでいてしなやかな外骨格に身を包み、口の端からチロチロと舌の代わりに火を噴き出すその姿は。
「オブライエンの墓地から蘇れ、ヴォルカニック・エッジ!」
ヴォルカニック・エッジ 攻1800
「馬鹿な、そのカードは!」
「ああ、そうさ!オブライエンがこのデュエルに参加していたから、僕はこのカードを呼び出すことができた。このオリハルコンの眼を通じて僕に力をくれたから、ここで死者蘇生を引くこともできた。この世界で何があったのかなんて僕は知らないし、言いたくないならそれでもいいさ。でも」
ここで一度言葉を切り、目の前の存在……より正確に言うなら、その奥に幽閉された親友に届かせるつもりで言葉を放つ。
「いいからとっとと帰って来い、十代!ヴォルカニック・エッジは1ターンに1度、自身の戦闘を放棄することで相手ライフに500ポイントのダメージを与える!」
覇王の墓地のダメージ・ダイエットには自身を除外することでプレイヤーへの効果ダメージを半減させる能力があるが、それを使ったとしても覇王のライフはそのダメージに耐えきれない。僕の命令と共に火炎弾が飛び、闇の鎧の中心を直撃したそれが大爆発を引き起こした。
「うおおおおお!」
覇王 LP150→0
「まだだ、まだ足りない……!こんなところで、この俺が……!」
爆炎が収まった時、そこには信じられない光景が広がっていた。ライフが0になってなお、収まることを知らない闇の力。十代の中の覇王の執念。恐るべきことに、覇王の人格はデュエルによる敗北イコール消滅というこの世界のルールすらも捻じ曲げ、強引に現世に留まろうとしている。覇王の鎧が炎の中に消えていくそばか
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