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フロンティアを駆け抜けて
白熱する駆け引き
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波を出してた……なら私も運を引き寄せてみせるわ! ミラ、『シャドークロー』!」

 ジェムは次にヤミラミを繰り出し、影で出来た爪による攻撃を命じる。『未来予知』は発動してからずっと未来が見えるわけではない。時間は限定されているし、発動してからのタイムラグもあることをジェムは知っている。だから速攻で仕掛けることにした。鋭利な闇がルナトーンを切り裂く。だが細い三日月は翳っても砕けることはなかった。

「いい判断だ、だが忘れるねぃ。芒に月の防御力は健在だぜ! さあこいこい、『サイコウェーブ』だ!」
「ミラ、『守る』!」

 やや小さめの念波が飛んでいくのを、ヤミラミは宝石のような輝く盾を出して凌ぐ。すかさずその守りを『パワージェム』に変換して放つする変則攻撃。だがそれをルナトーンは最初からわかっていたかのように避けた。

「やっぱり、また『未来予知』が……ミラ、『シャドーボール』!」
「残念だが、ガードしてる間に芒に月には勝利の未来が見えちまったみたいだぜ?」

 ヤミラミが何発も漆黒の弾を飛ばすが、ルナトーンは瞳を閉じたままヤミラミを見もせずにそれらを避けていく。そして東の方から大きく弧を描いて天井近くで止まり、目を見開いた。

「さあ、ここでまた大博打だ! 嬢ちゃんのヤミラミのガードをかいくぐって決められるかどうか……まず一発目、こいこい!」

 宙から放たれた念波は、マリルリを倒した時とほぼ変わらない大きさだった。恐らく8割以上のパワーはあるだろう。

「……ミラ、『守る』よ!」

 少しジェムは考え、それでも宝玉のバリアーで念波による攻撃を防ぐ。『守る』は連続で使うことは難しい技だ。次もまた同等以上の攻撃が来たら、『守る』では防げない。

「防いだか。だが次はねえぜ?二発目、こいこーい!!」 

 再び『サイコウェーブ』が放たれる。そして運が完全にゴコウを味方しているかのように、今度はさっきよりも大きなほぼ最大威力だった。念波がうねり、捩れ、予測不可能な軌道で飛んでいく。

「すまねえな嬢ちゃん、どうやら今回も儂の運が勝ったようだぜ!」
「いいえ、これを待っていたわ! ミラ、インチキお月様に向かって『お仕置き』よ!!」

 ヤミラミの瞳が輝き、ルナトーンの見開いた目を睨みつける。何かやましいことでもあるかのようにルナトーンが目を逸らすと、不規則ながらヤミラミに向かって飛んでいたはずの念波が ぐるりと回転し――放った主であるはずのルナトーンの方に直撃した。宙に浮く三日月が砕け、地面に落下する。

「まさか跳ね返しちまうとは……それに、インチキたぁどういうこったい嬢ちゃん? 根拠のないいちゃもんは真剣勝負じゃご法度だぜ?」

 ゴコウがルナトーンを札に戻しなが
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