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フロンティアを駆け抜けて
白熱する駆け引き
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ャレンジャー! ポケモンバトルは運と駆け引き、それを体現した儂の花札ポケモン達に勝てるかどうか、見せてみやがれぃ!!」

 ゴコウが懐から五つの厚めな札を取り出し、大見得を切る歌舞伎役者のように腕を突き出してジェムに見せつけるように札を出す。その札には一枚一枚、雅に描かれた植物とポケモンがいるのが見えた。ただの札ではなく、モンスターボールを改造して作ったゴコウ専用の特注品だ。その中にはゴコウの信頼する手持ちが入っている。

「うん、ちゃんと駆け引きしてみせる! さあ行くよキュキュ、あの時の私たちとはちょっとだけ違うってこと……見せてあげよう!」
「ほう、あの時と同じポケモンかい。なら儂も選ぶのはこいつだ、一枚目は松に鶴!」

 ドダイトスと数匹の鳥ポケモンが描かれた札から、まるで屏風から虎を出す逸話のように本物のドダイトスが出てくる。ゴコウのドダイトスはあの時ジェムの手持ち二体を倒したあげく一旦手持ちに戻り、倒すことは叶わなかった。バトルフィールド全体を衝撃で襲う『地震』に加え、火炎放射でも焼き尽くせないほどの蔦を操る『ハードプラント』に木々を巻き込んだ嵐を発生させる『リーフストーム』などいくつもの大技を操る強敵だ。一発一発がそのまま相手を戦闘不能にするパワーを持っている。だからこそジェムは最初にキュウコンを選んだ。

「まずは『鬼火』!」

 キュウコンが得意技の尾から揺らめく炎で火傷を負わせようとする。前回もまず火傷を負わせることで攻撃力を下げた。今回でもそれは有効なはずだ。

「おっと、すまねえが今度は通せねえな。松に鶴、『神秘の守り』だ! この技により儂のポケモンはしばらく状態異常にならねえぜ!」
「いいえ押し通すわ。キュキュ、お願い!」

 ドダイトスは足に力を籠め、フィールド全体に自分の力を浸透させる。そして近づいてきた『鬼火』に反応するように地面から若木が生えていき、ドダイトスを炎から守る壁となる……はずだった。しかし鬼火がぶつかる直前、若木が突然根元から燃え上がり焼け落ちる。ドダイトスが火傷になり、攻撃力が半減した。

「こりゃあ一体?」
「あなたが『神秘の守り』を使うのと同時にキュキュが『封印』を使ったの。『封印』の効果によって、相手はキュキュが覚えているのと同じ技を使うことが出来ない! だからあなたの『神秘の守り』は無効になったわ!」
「なるほどなあ。早速駆け引きしてくれるじゃねえか」
「キュキュが素早く反応してくれたおかげよ。ありがとう、キュキュ」

 キュウコンが褒められ嬉しそうに鳴く。しかしドダイトスからは目を逸らさない。まだ作戦の最初が成功しただけだ。

「だが、松に鶴のパワーは半分になったとしても軟じゃねえぜ? 『地震』だ!」
「キュキュ、『電光
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