第一部 ケイオスクルセイダーズ
プロローグ ビギンズデイズ
1.幻想入り
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んですか!丞一さんはこれから私とライダーを鑑賞するんですよ!』
「いや、鑑賞はしない。だが、ほんとにいきなり現れるのは止してくれよ、ご近所に見られたらどうするんだ──────紫さん」
丞一はいつの間にか話の輪の中にいた女性に苦笑を浮かべて喚起した。
彼女は八雲紫。金髪の女性で、見た目は丞一と同じくらいの女性。別嬪さんでその妖美な雰囲気がさらに彼女を引き立てている。
妖美とは、『妖』しく不思議な『美』くしさ、という意味だ。この言葉ほど、八雲紫の特徴を表したものはないだろう。
「何しに来たんですかって言っても夕飯をたかりに来ただけか。麻婆豆腐しか作れそうなのないですけど。妖怪とかってタマネギ大丈夫でしたっけ?」
妖しい怪物と書いて『妖怪』。そう、八雲紫は妖怪なのである。
「別に大丈夫よ。犬じゃないんだから」
「じゃあ、寝てから作るんで、適当にくつろいでてください」
「そうさせてもらうわ」
夕飯まで、『キングクリムゾン』!
「ごちそうさま」
「お粗末様です」
夕飯を食べ終えた丞一に紫は本題を切りだした。
「で、もう分かってると思うけど聞くわ───────どう?幻想郷に来ない?」
「毎度毎度、家に来たら飯たかってそれ言うだけでそれ以外の用で来たことないのに、わざわざ何故いうんですか?」
『丞一さん。あれですよ。あれ。言ってもらわないと話についてこれない、とかそんな理由じゃないですよ』
「お前はお前で何いってるんだ」
色んな人に怒られてしまうではないか。
「どうかしら?」
「忘れられたものたちの楽園、でしたっけ?」
「平たくいえばね」
丞一は思案した。いきなり環境の変わる世界につれて行かれるのだ。悩まないわけがない。だが、魅力的な相談でもあった。周りの環境を変えるのも長い人生の中では面白い一手になるだろう。
紫はそんな丞一を見て、勝った、といわんばかりに笑みを浮かべ、そして告げた。
「─────あなたの探し人もそこにいるかもよ?」
「………行かせてもらっていいですか?」
「いいわよ」
「で、それな当たって相談なんですけど」
「どうしたの?」
「紫さんっての能力ってだいたいのものだったら運ぶこと出来るじゃないですか?」
「境界を操る程度の能力でね。ええ出来るわよ」
紫の能力『境界を操る程度の能力』。あらゆるものの境界を操ることが出来る。例えば、現と幻の境界、可視と不可視の境界、二次元と三次元の境界、etc.etc.底の知れない能力だ。紫がいきなり現れるのも能力を使って空間の境界を操り、『スキマ』という異空間から突然現れるからだ。
「しかもそれで人とか神社とか神隠ししてるって、前教えてくれたじゃないですか」
「そんなこと言ったかしら。まあでも確かにしてい
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ