96部分:動きはじめた時その七
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に置いてある密約書が反乱軍の手に渡れば・・・・・・”
(密約書!?)
サイアスは声にならない叫びをあげた。もしや、と思った。先程自分が見た文の他にもまだあるのか、全神経をその両耳に集中させた。
“ああ、ランゴバルト公とレプトール公、そして陛下による先の大戦での各地の反乱の誘発、クルト応じの暗殺、そしてその罪をシアルフィ家に被せ両公は王に、そして陛下がアズムール王を毒殺し皇帝となられる・・・・・・。それが書かれたあの書がもし反乱軍の手に渡れば・・・・・・”
“帝国の威信は完全に地に堕ちレンスターどころかシレジア、アグストリアの反乱勢力も抑えられなくなるわ”
“ただでさえ帝国領内で不穏な動きがあり迂闊に兵を動かせないというのに。このままでは・・・・・・”
話はまだ続くようだったがこれ以上聞くつもりは無かった。外に出る気も失せ部屋に戻った。翌朝には部屋にも家にも王宮にもサイアスの姿は無かった。八方手を尽くし捜索が行なわれたが何処にもいなかった。夜アルヴィスは空を見た。空に青い巨星が輝きその周りを数十の星が煌く中一つの紅の星が新たに加わったのを見て彼は首を横に空しく振った。翌朝サイアスの捜索は打ち切られた。グランベルはその支柱たる将を一人失った。
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