ケッコン協奏曲 〜赤城〜
2.大淀、演習場に立つ
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提督が砲台子鬼さんの編入書類を作成するということで、私達は一時解散となった。天龍さんや電さんはそのまま資材調達の遠征にでかけ、ロドニーさんと戦艦棲姫さんは夕方の提督の外出に向けての出撃準備。集積地さんは、電さんが帰ってくるまで資材貯蔵庫でゲームをやるとかで、ぐふぐふとキモい笑い声を上げながら消えていった。
私はというと、自分の艤装を受け取るために工廠で待機しているらしい、大淀さんの元に向かうことにした。目的はもちろん、彼女の艤装装備の手伝いと、大淀さんいじりだ。
「やあ大淀さん。お手伝いに来ました」
「ぁあ、赤城さん。ありがとうございます」
「ついに大淀さんも、軽巡洋艦として出撃するんですね」
「といっても、もう戦争も終わってますし……」
「何言ってるんですか。これからバシバシ練度を上げていきますよ!」
「でも、いいんでしょうか……私じゃ、足手まといにならないでしょうか……?」
「足手まといにならないために、練度を上げるんですっ!」
「……ハッ!!」
私の口が適当なことを次々と口走り、大淀さんがそれに対して『深イイ』とでも言わんばかりにハッとした顔をしている。大丈夫かこの人? 人のことを信用し過ぎではないだろうか? 無責任にあること無いこと口走ってるだけなのに……
「た、確かにそうですよね……うん……」
あなたにはもっと大事な理由があるでしょー!!!
「それはそうとして大淀さん。今日はもうひとつ艤装が届いたそうですよ?」
「へ? そうなんですか?」
なるほど。提督は、指輪の事を彼女には伝えてないらしい……。任務娘である彼女が知らないというのは少々解せないが、ひょっとすると提督に直接届いたものなのかもしれない。……ひょっとして、サプライズにするつもりとか!?
「で? どんな艤装なんですか?」
「……」
「赤城さん?」
「……あ、新しい砲です」
「なるほど……ロドニーさんに配備されるんでしょうか?」
『あなたのマリッジリングですよ!! やりましたね大淀さん!!』とはバラせず……かといって完全なウソも言えず……とりあえず砲台子鬼さんのことを艤装ということにしておいた。
「分かりません……彼女にはフィットしなさそうですし……」
「では意表をついて赤城さんとか?」
反射的に、私の頭に砲台子鬼さんが乗っかっているところを想像した……。
――一航戦・赤城!! 砲台子鬼さんとともに出撃します!!!
――『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
私のイメージの中の砲台子鬼さんは、私の頭の上でBB弾をパチンパチンと撃っていた。そのBB弾はまっすぐ飛んでいき、私のイメージの中の天龍さんのおでこにペチンペチンと当たっていた。
――姐さんいてえ!!! 敵を撃
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