ケッコン協奏曲 〜赤城〜
1.新しい仲間
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「お前さ……迫力あるよ」
天龍さん、それは褒め言葉ではないですよ……そう言おうとした時。
『……!!』
砲台子鬼さんが、ジャキンと音を立てて、その小さい砲台を天龍さんに向けた。
「お、なんだーやるかー?」
天龍さんがそんな砲台子鬼さんに向けて、ファイティングポーズを取っている。左ジャブからの右ストレートのコンビネーションを繰り出して、おのれの実力の高さをアピールしたいのだろうが……その腰のサーベルは飾りなのですか……とツッコミたい気持ちをグッとこらえた。
「おい天龍」
「なんだよ集積地。邪魔すんじゃねー。シュッシュッ!!」
コンビネーションを右ストレートからさらに左フック、そして左アッパーとつなげて行く天龍さんに対し、集積地さんは呆れたように声を掛ける。私の気のせいか。砲台子鬼さんの額……いやそれ以前に丸い部分が頭なのかどうか定かではないが……なんだか青筋ができているように見えるが……。
「天龍。砲台子鬼は喧嘩っ早いぞ。不審な影や自分を敵視するやつ、バカにする奴には容赦なく撃ってくる」
「撃てるもんなら撃ってみやがれ! シュッシュッ!!」
『……!!!』
砲台子鬼さんの砲台がキリキリと動き、照準が天龍さんにガッチリと合ったことが分かった。
「おっ。テメーもヤル気になったみてーだなーこいやーオラー」
どう見ても調子に乗っているとしか形容出来ない天龍さんが、砲台子鬼さんの周囲を華麗なステップで回り始めた。まるで身軽なボクサーか……ともすればジークンドーの使い手のような軽やかなステップは、見ていて非常に鼻につく。次の演習で轟沈判定20回を硬く誓うほどに。
そんな天龍さんの挑発を受けても、砲台子鬼さんはまったく動揺することがない。冷静に照準を合わせている。天龍さんの動きに合わせ上下左右に砲塔を動かし、クールに狙いを定めているようだ。キモいけど。
そして次の瞬間……
「いでッ!?」
『パチン』という軽い音とともに、天龍さんが自分のおでこを抑えて大きくのけぞった。
「な、なにしやがったてめ……あだッ!?」
おでこを押さえた天龍さんが急に悲鳴を上げる。目が涙目だ。何か相当痛い思いをしているようだ。天龍さんは『いたいッ!?』と悲鳴を上げながら逃げまわっているが、その悲鳴に紛れて聞こえる『パチンパチン』というこの音は何だ? まるで何かがはじけているような……そんな軽い音なのだが……。
「……ん? これは……?」
先程までらんらんと目を輝かせていたロドニーさんが何かに気付いたようだ。片膝をついてしゃがみ込み、自身の足元に転がる小さい何かを指でつまむと、それを手にとってじっくりと観察する。
「……BB弾?」
その小さ
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