ケッコン協奏曲 〜赤城〜
1.新しい仲間
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の頭を撫でている集積地さんに、ヤル気のない声で問いかけていた。
「お前さん、何か用があったから執務室に来たんじゃないの?」
「ああそうだが……指輪の件はもういいのか?」
「だって指輪見られないんだもん。お前さんの話を聞くよ……」
明らかに興味なさげな感じで集積地さんに話を促す提督。その態度はあまりに失礼過ぎて諌めようかとも思ったが、よくよく考えてみたらいつもどおりの提督だった。……逆に言えば、普段はこんなにも自分の鎮守府のことに無責任なのか。集積地さんたちと仲良くなる前の頃の提督と、その提督に感じていた自分のいらだちを思い出し、少しだけむかっ腹がたったが……まぁいいか。あとで鳳翔さんに頼んでやけ食いでもしよう。
「今日は鎮守府に新しい仲間を連れてきた。ついては、私たちとお前たち人類との友好の証として、この鎮守府付の深海棲艦第一号としてもらいたい」
「この鎮守府付って……お前さんたちもそんなもんじゃないの。俺は集積地がこの鎮守府所属の深海棲艦第一号だと思ってたよ? 電とも仲いいし」
「確かにそんな感じだし、私達もそう捉えてはいるが、あくまでそれはなし崩し的だ。今回紹介する仲間は、正式にこの鎮守府付にしてもらいたいんだ。キチンと書類を作って、ちゃんとこの鎮守府に登録してもらいたい」
「ほーん……」
なるほど。要は新しい仲間がこの鎮守府のメンバーになるようだ。それも艦娘ではなく深海棲艦……少しだけ戦闘意欲がうずいた。そしてそれはロドニーさんも同じだったらしく……
「なにッ!? 新しい深海棲艦だとッ!?」
と急に目をクワッと見開いて、久しぶりにバトルジャンキーの横顔をちらつかせ始めていた。
「その仲間は局地戦における防衛能力と砲撃能力に優れている。この鎮守府は提督が不在の場合も多い。そういう場合に、この執務室を防衛する最後の砦として活躍することだろう」
「戦艦棲姫がそういうのなら、かなり強いんだろうねぇ?」
「陸上型だから海上に出ることは出来ないが……その分防御も固く、並の砲撃では傷つきにくい。手強いぞ?」
確かに。ここでいつもロドニーさんや電さんと漫談を繰り広げているので、ついつい忘れがちだが……集積地さんと戦艦棲姫さんは、元は深海棲艦の勢力の中でも抜きん出た力を持つ、いわゆる『姫クラス』と呼ばれる立場。その実力は、本来なら私たちですら太刀打ち出来ない強さを誇る。
そんな戦艦棲姫さんが『手強い』というあたり、その新しい仲間は相当に強いのだろう。やりあってみたい……そう思う私もまた、ロドニーさんと同じく、バトルジャンキーなのだろう。先日嬉々としてロドニーさんとの“稽古”に臨んだあたり、認めたくはないけれど、私も立派なバトルジャンキーだ。
「で、そのお方はどちらにおいでなの?」
「実
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