ケッコン協奏曲 〜赤城〜
1.新しい仲間
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にやけとるの?」
提督は不思議そうにそんな質問を私たちに投げかけてきた。いけない。自覚はなかったが、私も顔がにやけていたようだ……ニヤニヤ……ダメだ。気を引き締めないと。キリッ……ニヤ。
伸びきったゴムのように緩んでしまった自分自身の戦闘意欲を刺激して、なんとか元の引き締まった自分に戻りたい。……そうだ。ロドニーさんならきっと、私を引き締めてくれるはずだ。私はロドニーさんに向けて、あらん限りの殺気をぶつけてみた。ロドニーさん……あなたを絞め落としますよ……ほら……だから私を威嚇してきて下さい……戦闘意欲を刺激してください……ギンッ!!
「司令官……ぶふっ……そろそろ……年貢の納めどきではないか……? ニヨニヨ」
ダメだ。人のことは言えないが、ロドニーさんも緩みきっているようだ。
「ところで司令官さん」
「ん?」
「その指輪はどこにあるのです? もう届いてるのです?」
「届いてるよ? 見てみる?」
集積地さんの隣で、やっぱり顔をニヤニヤさせっぱなしの電さんの言葉を受け、提督は机の引き出しから小さなワイン色の小箱を取り出した。見間違うはずもない……これは……紛れもなく指輪のケースだ……。ケースの隙間から、青く淡い光が漏れ出ているように見えるのは、私の気のせいではないはずだ。ここにいる全員にその光が見えているはずだ。
「うわ〜……」
「なんか……凄そうだな……」
「せっかくだから中もちょっと見てみる?」
司令官の興味なさげなその言葉を受け、私とロドニーさん以外の皆が首を元気よく縦にブンブンと振っていた。電さんなんかはもう身を乗り出して食い入るように指輪のケースを見つめている。
「ダメだッ!!」
唐突にロドニーさんの怒声が響いた。あまりに突然のことで私たち全員、呆気にとられてロドニーさんを振り返る。彼女は眉間にシワを寄せ、ひどく怒っているようだ。ほっぺた赤いけど。
「お前ら! その指輪を見るのはダメだ! 司令官もしまえ!」
「何がなのです?」
「そうだー。ちょっとぐらいいいじゃねーかー!!」
「ぶーぶー!!」
「理由を言いなさいよーぶーぶー」
ロドニーさんの突然の制止に対し、電さんと天龍さん、そして提督までもが口をとんがらせてロドニーさんにブーイングを送っている。電さんと天龍さんはまだ分かるけど、提督……なぜあなたまで一緒になって『見せなさいよー』とシュプレヒコールを上げているんですか……?
「そ、それはー……」
ロドニーさんが顔を真っ赤にし始めている。いつものキリッてしてツンツーンてしてる彼女からは考えられない挙動だ。真っ赤な顔で恥ずかしそうにうつむいて、両手を後ろで組んでもじもじと恥ずかしそうに身体をよじらせる彼女の姿は、まるで憧れのバスケ部の先
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