ケッコン協奏曲 〜赤城〜
1.新しい仲間
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サクラバイツキ大尉殿
貴鎮守府及び貴君の停戦に向けての多大な功績に鑑み、
特例としてケッコンカッコカリ必要書類一式及び、
指輪型艤装を進呈する
また、かねてより本人から希望が上がっていた、
任務娘大淀の、軽巡洋艦としての運用も併せて許可する
ついては大淀型軽巡洋艦の艤装一式も合わせて送付する
工廠に直接搬入するため、受け取り確認の人員を配置すること
昼下がりの執務室。私と電さん、天龍さんやロドニーさんといったいつものメンバーと、今日も遊びに来た集積地さんと戦艦棲姫さん……みんなが見守る中、提督は司令部から届いた封筒を開け、私たちにその書類内容を読み上げて聞かせてくれた。
提督が読み上げる司令部からの通達書類の内容に、この鎮守府に所属する艦娘とよく遊びに来る深海棲艦さんたちが、色めき立たないわけがなかった。
「し、司令官さん……こ、これは……!」
「うん。大淀、前から『私も皆さんとともに戦いたいです』って言ってたからねぇ。今となってはもう遅いけどさ」
「そ、そうではなくて……ニヤニヤ」
「ん?」
提督にそう言い寄る電さんの顔は、だらしなくほころんでいた。本人はきっと必死に隠しているのだろうけど、顔がもうニヤニヤしっぱなしだ。
大淀さんが提督のことを想っているのは周知の事実だ。その大淀さんが今後は任務娘としてだけでなく、軽巡洋艦の艦娘として前線に出ることが許可された。今後大淀さんは、私たちと同じく戦う側の艦娘となる。提督の言うとおり、今となってはもう戦争も終わっているから、前線に出て戦うことはないだろうけど。
そしてもうひとつ。練度を極限まで高めた艦娘は、特別な艤装として指輪型の艤装をつけることを許される。この指輪型の艤装は装備者の潜在能力を限界まで引き出し、さらなる練度向上が期待できるというものだ。『艤装』といえばずいぶん物騒に聞こえるが、装備する指が左手の薬指な点や、提督との深い絆がなくては正常に機能しない点などから、私たち艦娘の間では通称『ケッコンカッコカリ』とか言われている。司令部もそれは把握しているらしく、今ではそれが正式名称になったようだ。
『大淀さんが軽巡洋艦として今後は練度を上げる』『ケッコンカッコカリの指輪がある』この二つの事実が何を意味するか。この計算式の答えにたどり着くのは、そう難しくない。グフフフフフフフ。
「ニヤニヤ……提督」
「ん? 集積地どしたー?」
「私がこの鎮守府を去るときに言った一言、覚えてるか?」
「? なんか言ってたっけ?」
提督は覚えてないようだが、横で聞いていた私は覚えている。『身の振りを考える時ではないか?』確かそんなことを提督に忠告していたはずだ。
「それはそうと、お前さんたちはなんでそろいもそろって顔が
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