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自然地理ドラゴン
二章 追いつかない進化 - 飽食の町マーシア -
第18話 町長
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て服もビシッと決まっていた。痩せてはないものの、あまり鈍重そうな印象はない。
 眉を寄せていないのに眉間に皺が見えるが、それはそれで頭がキレそうな雰囲気を醸し出していた。

「わたしだけはまだ初級なんだけど、一緒に来ちゃった」

 ティアが黒い長髪を片手で梳き、若干恥ずかしそうに笑って言った。
 シドウとアランは上級冒険者であるため、彼女は三人の中で一人だけ級が落ちる。もちろんティアの昇級速度が遅いわけではなく、シドウやアランが速いというだけのことだ。

「いえ、女性で冒険者ということがまずご立派ですよ。お会いできてうれしく思います」

 町長はそう言うと、車いすの手すりで器用に体を支えながら、ティアに向かってあらためて礼をした。
 ティアもつられて頭を下げる。

「そうか。ティアは女だもんね。言われてみればたしかに珍しいのかもしれない」
「ちょっと! 『そうか』って何よ!」
「ふふ。シドウくん、さすがにそれは言葉選びが迂闊ですよ」

「ハハ、これはまた仲がよさそうで。うらやまし――」

 ――!?

 部屋の外から、何やら大きな声が聞こえた。
 この場にいる全員が応接室の入口に目をやると、その扉が勢いよく開いた。

「町長! 大変です! 襲撃です」
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