お姉ちゃん!?
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国王を暗殺するための準備のため、街の見回りを行っているのだ。
「しかし、見回りをするにも人数が多いと怪しいと思うんだが・・・」
「人が多くなりすぎているからな。それぞれに役割を与えないと、統率が乱れちまう」
ブツブツと不満を漏らしながら街の様子、さらには華灯宮メルクリアスの周りを一回りする男たち。そしてアジトへと帰ろうとしたところ、騒がしい街の中で一際声が響き、多くの人が集まっている場所を発見する。
「なんだ?」
「ちょっと見ていくか」
なぜその場所だけ騒がしいのか、街の調査をしている身としては確かめておかなければならない。そう考えた男たちは人々の後ろから中心にいる人物たちの様子を見つめる。
「お前俺にぶつかっておいてただで済むと思ってんのかぁ!?」
「す・・・すみません」
彼らの目に映ったのは顔を真っ赤にして興奮状態の尻餅を付いた男と、それに絡まれて迷惑そうに謝罪している男の姿だった。
「なんだ、ただの酔っぱらいのケンカが」
「人騒がせな奴だな」
ガッカリと言えばいいのか、はたまた安心したと言えばいいのかわからない感情に駆られる。そのままもう少し観察するか、ここで場を離れるか迷っていた際、酔っぱらいから信じられないような言葉が言い放たれる。
「俺はこれから大きな仕事が待ってんだぜ?なんだと思う?
暗殺だよ暗殺!!」
「「「「「!!」」」」」
その男の言葉に全員が目を見開く。それはごく当たり前の反応だと言えよう。なぜなら、自分たちが国王の暗殺をしようとしている組織の人間なのだから。
「バカな!?あの男、何者だ?」
「うちの組織であいつを見たことある奴はいるか?」
部下と思われる男たちに確認を取る色黒の男。しかし、彼らは首を傾げたり横に振ったりと様々な反応を見せる。
「大人数だ、見覚えがない奴もいるかもしれないぞ」
「だが、こんな昼間から機密情報を漏らす奴がいると思うか?」
どういうことなのかさっぱり理解が追い付かない彼らは、これからどうすればいいのか思考を巡らせる。すると、赤黒い髪をした男性に、茶色の髪を長く伸ばした女性がぶつかる。
「あ、すま・・・」
体が大きく動きすぎたのでぶつかったのかと勘違いした男は女性に謝罪しようとすると、彼女から一つのメモを渡され、女性はその場から立ち去っていく。
男はそのメモを周囲から見せないように目を通すと、すぐさま仲間たちに指示を出す。
「一度本部に戻りこの事を報告する。行くぞ」
そそくさとその場を後にする男たち。だが、その様子を眺めている者たちがいた。
シリルside
尻餅をつ
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