第四十六話 対策その十四
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「神戸にいた時もね」
「誘われたことあるでしょ」
「そうしたこともあったわよね」
「優ちゃん可愛いし」
「そうしたことも」
「ええ」
こう答えた、ただその時は優花は男だった。
その男だった時のことを思い出したが隠してこう言うのだった。
「結局断っていたけれど」
「けれどこっちではどう?」
「参加してみたら?」
「うちの学校の中でもやってるしね」
「先生もいやらしいのでないと許してくれるし」
そうしたところも寛容な学校なのだ。
「衝夫もいなったしね」
「あの馬鹿自分のことには甘いのに生徒には厳しかったから」
「校則守れって五月蝿くて」
「それで暴力も振るってきたから」
「そんな奴がいなくなってね」
「よかったわ」
「空気が奇麗になった感じ?」
こうまで言う者さえいた。
「剣道部も平和になったそうよ」
「とんでもない顧問がいなくなったからね」
「何か取り調べで凄いことがわかってきたみたいだし」
衝夫の現状の話も出て来た。
「何か碌でもない新聞記者と色々悪いことやってたみたいよ」
「そんなことしてたの?」
「そんな悪いことしてたの、あいつ」
「そういえばいい車乗ってたしね」
「学校の先生で買える車?ってのね」
「いいお家にも住んでたしね」
「言われてみればお金でもおかしなこと多かったわね」
金の出処は大事だ、それが怪しいかわからない者は信用するなと言われているまでだ。
「その辺りも調べられて」
「色々わかってきてる?」
「学校の外でも悪いことしてたのね、あいつ」
「そうだったのね」
「そうみたいよ、過激派とも関係あったらしいし」
このこともだ、警察は取り調べから突き止めたのだ。
「もう実刑間違いなしらしいわよ」
「じゃあもうあいつの顔二度と見ないのね」
「クビになっただけじゃなくて」
「ガチ犯罪者になったのね」
「前科者ね」
懲戒免職でかつ前科までつく、社会的にかなり危うい状況になることは言うまでもない。自業自得のことである。
「出来れば一生刑務所から出ないで欲しいわね」
「刑務所は税金でやってるから死んでくれればいいのに」
「そうそう、もうね」
「さっさと死んでね」
「それで地獄に行って欲しいわね」
こうした話にもなる、そしてだった。
優花はそうした話も聞きながらだった、恋愛のことも考えていた。それは彼女にとってはまだ実感出来ないが考えていくものになっていた。
第四十六話 完
2016・11・16
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