91部分:動きはじめた時その二
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動きはじめた時その二
「アサエロ、私のお兄ちゃんよ。解放軍に入りたいんだって」
「よろしく」
「ええっ!?」
一同はまた驚いた。ティニーはいささか話についていけずキョトンとしている。
その日の夜アルスター市内のとある居酒屋で集まっている者達がいた。
「アルスターとレンスターの解放、アサエロの参加、そして皆の上級職昇格を祝って・・・・・・」
店の真中に置かれた巨大なテーブルを解放軍の面々が占領している。その中でパティがビールをなみなみと注いだ木の杯を高々と掲げている。
「乾杯ーーーーーっ!!」
一同が杯を掲げる。そして杯を打ち付け合い一斉に飲み干す。
「美味し〜〜〜っい、やっぱりビールは最高よねえ」
カリンが口の端に泡を付けたまま言った。
「ほんっとうに女っ気の無え奴だな」
フェルグスが豚肉のスペアリブをかじりながら嫌味を言う。
「何よお、何か言った?」
カリンがその喧嘩を買った。同時に杯に赤葡萄酒を注ぎ込んだ。
「ん?文句あるか?」
フェルグスも乗った。今度は鹿の干し肉を流し込んでいる。
「スペアリブ頂戴」
単に酒の肴が欲しいだけだった。
「フフフ、相変わらずね、カリンは。お酒が入ると食べてばかりなんだから」
ミーシャが顔を赤らめながらスペアリブに食らい付くカリンを微笑みながら見ている。
「あの、ミーシャさん」
下からアズベルの声がする。
「何?アズベル君」
「・・・・・・いい加減離してくれません?」
ミーシャは両手でアズベルを後ろから抱き締めている。
「駄ぁ〜〜目」
普段の理知的で生真面目なミーシャからは想像出来ない姿である。
「もう離さないんだからぁ〜〜」
ニコッと目を閉じ笑う。アズベルは何とか逃げようとするが離れられない。酒や肴もミーシャが飲ませ食べさせられている。口をモグモグさせるアズベルを見てミーシャがアズベルの頭に頬擦りする。
「可愛い〜〜、アズベル君」
「あ、あわわ・・・・・・」
顔を紅潮させもがいている。だがミーシャの力は思いの他強く離れられない。隣ではタニアとオーシンがソーセージの取り合いをし、それにハルヴァンとアルバが介入している。
「さあ〜〜て、俺とカード遊びをする奴はいねえかなあ?」
リフィスがシャッシャッとカードを切りながら周りのロナンやトリスタンに声を掛けている。
「カードって・・・・・・。御前のはイカサマだろう?」
後ろからヒョッコリとパーンが出て来た。
「な、パーン手前何を証拠に・・・・・・」
「証拠?これだ」
パーンはリフィスの上着の袖をヒョイっと摘み上げた。するとカードがボタボタと落ちて来る。
「これは何だ?」
「いけね、ばれたか」
あまり、いや全く悪びれていない。
「全くこいつは昔からこう
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