第七幕その四
[8]前話 [2]次話
「村みたいな」
「だから王宮もですか」
「小さいのよ」
この通りというのです。
「この通りね」
「そうですか」
「ええ、けれどね」
小さいことは事実にしてもというのです。
「この通り快適よ」
「暮らすにはですね」
「そう、これ以上はないまでにね」
にこにことしてです、アンは大尉にお話します。
「いつも色々な果物が実っていてね」
「王国の他の場所と一緒で」
「ここもなのよ」
まさにというのです。
「木造でしかも色々な果実が実って」
「何時でも美味しく食べられて」
「香りもいいでしょ」
アンは大尉にこのこともお話しました。
「そうでしょ」
「そうですね、私は食べることはありませんが」
「それでも香りはわかるでしょ」
「はい、果物のかぐわしい香りに満ちていますね」
「様々なーー果物のーー香りがーーです」
チクタクも言います。
「宮殿の中にーー満ちてーーいますね」
「こんな宮殿他にないわよ」
にこりと笑って言うアンでした。
「勿論お風呂も全部木造よ」
「えっ、じゃあまさか」
そのお風呂を聞いてです、恵梨香はお顔をぱっと明るくさせて言いました。
「檜のお風呂ですか」
「あら、わかったの」
「それは素晴らしいですね」
「とても広くて奇麗なお風呂場よ」
「温泉みたいな」
「薬膳湯もあってね」
「アン王女はそのお風呂に」
「この国にいる時は毎日入ってるわ」
それこそというのです。
「だから皆も入ってね」
「有り難うございます」
「サウナもあるから」
そちらのお風呂もというのです。
「楽しんでね」
「そういえばアン王女ってお風呂も好きだったね」
トトも一緒に果物やお茶を楽しんでいます、ドロシーの足元に犬用の容器を出してもらってそこに入れてもらって食べています。
「そうだったね」
「大好きになったのよ」
「最初はそうでもなかったんだ」
「普通だったのよ、けれどね」
それがというのです。
「この宮殿を建てた時にお風呂も変わってね」
「その檜のお風呂にだね」
「浴槽も幾つもあってそのうちの一つが薬膳湯で」
それでというのです。
「毎日変わるのよ」
「そのお湯も」
「ワインになったり柚になったりね」
「今日はどんなお風呂ですか?」
ジョージは葡萄を食べつつアンに尋ねました、エメラルドグリーンに輝いているとても奇麗なマスカットです。
「一体」
「ええと、今日は」
「ワイン風呂です」
アンの近くにいた少女のメイドさんが答えてくれました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ