9部分:峡谷の戦いその五
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二十五勝・・・」
謙遜して言う。
「流石だね。僕も負けてられないな。しかし闘技場は大変だね」
「闘技場お抱えの司祭が杖が何本有っても足りないと嘆いておりました」
「ふふふ。じゃあ行こうユリア」
「はい」
ユリアを連れて部屋を出ようとする。
「行って来るよ」
「はっ」
二人がオイフェの横を通り過ぎた時オイフェはユリアに何かを感じた。
「あの・・・ユリア?」
「はい?」
「君は・・・・・・」
「あの、私が・・・何か?」
ユリアは不安そうな顔になった。セリスが間に入った。
「オイフェ、ユリアは記憶喪失なんだ。悪いけれど遠慮してやってくれないか」
「はっ、申し訳ありません」
「解ってくれればいいよ。さっ行こう、ユリア」
「はい」
セリスに連れられるようにしてユリアも部屋を後にした。一人部屋に残ったオイフェはユリアの姿が消えた後しばし考え込んだ。
(どういう事だ、あのユリアという娘、何処かセリス様に似ている)
口に手を当てまるで哲学者が思考を練る様な表情になった。
(そして何か懐かしさを感じる。ディアドラ様に似た・・・・・・そしてセリス様からも感じられるあの感覚・・・シグルド様の・・・)
だがオイフェは頭を振り考えを止めた。
(そんな筈がない。御二人共もう・・・・・・)
オイフェは部屋を後にした。後には壁に飾られたシアルフィの紋章があるのみだった。
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