暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
賽は投げられた!
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
てるの。あのブレーンのお爺さんともう一度勝負して、言葉をぶつけて……今の私たちで、勝ってみせたいから」

 バトルダイスのブレーン、ゴコウ。彼はジェムの父親を知り、またそれに憧れるジェムに対して何度かバトル以外での言葉をかけていた。でもその時のジェムは父親に追いつきたい一心で、耳を傾けていなかった。だから、もう一度勝負をしに行くのだ。ジェムの仲間たちは、それぞれの声で快く返事をしてくれた。

「バトルダイスに挑戦するの……? 僕、もうそれは持ってるんだけど」
「え、それがどうかしたの?」

 ダイバがバトルダイスのシンボルを持っていることで何か困ることがあるとはジェムには思えない。ダイバは何かしまったという顔をして、取り繕うように言った。

「……じゃあ僕はバトルドームに行くから。そっちが終わったら勝っても負けてもまたここに来ること」
「わかったわ、もちろん勝ってくるから!」
「……どっちでもいいよ。じゃあね」

 ダイバは踵を返してバトルドームへと歩いていった。ホテルでジェムがシンボルを取ることも大事そうにしていたのはなんだったんだろう?と思いつつも、それはこれからゆっくり話し合っていけばいい。ジェムも初めての敗北の場所となったバトルダイスへ再び足を踏み入れ、説明を改めて受けて新たな挑戦を始める。二つのサイコロを握り、バトルフィールドの片方につくとジェムの傍にお椀をひっくり返したような物体が現れる。たった二日前の事なのに懐かしく感じながら、サイコロを振った。

「最初だし気合入れていくよ! ダイスロール!」

 サイコロの眼は3と6を出した。この前挑戦した時の作戦でいけばここは2体で戦って後で6匹全員を回復出来るようにした方が安全だ。逆にすれば6体で戦ってみんながダメージを負っても、3匹しか回復出来ないからだ。

「でも私は……6を選ぶ!」
「了解しました。では……バトル、スタートです!」
「ポケモンは しょせん人間 ではない 絆など 幻想にすぎないのです」

 受付の人の掛け声とともに研究員らしきヴァーチャルトレーナーが現れる。決められた言葉を言っているだけなのはわかっているけど、ジェムははっきり否定した。

「私は、お父様とお母様、ジャックさんがくれたこの子たちの事を信じて戦うわ!いくよ、キュキュ!」

 キュウコンを出し、相手のバーチャルポケモンと戦う。このバトルダイスはサイコロの出目によって使用できるポケモンと回復できるポケモンの数が変わる運と駆け引きの勝負。今回ジェムは敢えて出目の大きい方を選び、戦いながらジェムは自分のポケモン達と自分の答えを探していくことにした。負けを恐れ、今この場を勝つことに拘らずその先の答えを求めて――


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ