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フロンティアを駆け抜けて
賽は投げられた!
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そう、あり得ないよ」
「そんな風に決めつけちゃダメだよ! ダイバ君はすごくバトルが強くて私よりもいろんなことを知ってるんだから!」
「そうだとしても、結果が出せなきゃ意味なんてない……だから僕はシンボルを7つ集めて、チャンピオンに勝たなきゃいけないんだ」

 シンボルを7つ、のところでダイバはジェムを一瞬睨んだ。それは昨日ダイバがチャンピオンに向けていたのと同じ目で、ジェムの事を眼中にいれていなかったはずだった。まるで尖った鋼のような危なさのある目だったけど、それでも目を合わせてくれたダイバにジェムは語り掛ける。

「……あのねダイバ君。私も、今お父様に勝ちたいって思ってるの」
「知ってるよ。あんな風になりたいって何回も聞いた」
「違うの。昨日まではそう思ってたけど、今はお父様と同じになりたいんじゃなくて、私の気持ちをぶつけたいの」
「自分の気持ち……?」
「うん、昨日初めてお父様のやってることを許せないって思った。悪いことなんてしてないし優しいお父様だけど、どうしても納得できないことがあったの。今はまだそれがなんなのかはっきりわからないけど……このフロンティアでシンボルを7つ集めて挑戦出来たら、その時はお父様に憧れてただけの私じゃない、自分の力で戦いたいなって」

 ダイバとジェムが最初に会った時は、父親を真似た口上を馬鹿にされただけで怒るほどジェムはチャンピオンに心酔していた。ひな鳥のように、親の後を追っていた。ダイバはジェムをそういう人だと思っていたから、今の言葉に目を丸くした。でもダイバにも自分の目的がある。目を伏せて、呟いた。

「ふん……無理だよ。7つのシンボルを集めるのは僕なんだから」
「そうかもしれないわ。でも、私だって負けないからね!」
「……勝手にすれば」
「うん! そうするわ!」

 なんだか話したいこととは違う方向にいってしまったけどそれでも言うべきことは言えた気がして、満足して朝食を食べる。結局梅こぶ茶は残してしまったがもともと頼んだものは完食した。自分の仲間たちが入ったボールを受け取る。自分のポケモン達は、昨日色んな辛いことがあったことでジェムが落ち込んでいないか心配してくれていたようだった。そんな優しいみんなに、ジェムは心からの笑顔で話しかける。 

「大丈夫! 私ね、今すっごく元気だよ、みんなと勝ちたくって仕方ないくらい! だから……今日も一緒に頑張ろうね、みんな!」

 そういうと、ボールの中のみんなの表情が明るくなり、ラティアスに至っては勝手に出てきてジェムの周りをくるくる回った。その頭を撫でてやりながら、ジェムは告げる。今日の挑戦する場所を。

「ラティ、みんな……今日はね、最初にここにきて負けちゃったあのサイコロの施設に挑戦しようと思っ
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