暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
賽は投げられた!
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の都合に付き合ってくれていただけで、ジェムのシンボル集め自体に何の興味もなさそうだったからだ。ジェムは慌てて部屋の隅にある大きめの鏡の前で自分の見出しなみを整える。昨日までの濃い青色のパーカーに赤いミニスカートとは違う、淡い水色を基調とした半袖のトップスに小さめの赤いネクタイをつけ、小豆色のショートパンツに身を包み、髪には小さな雫を象ったヘアピンをつけている。母親が用意した新しい服は今まで着ていた服よりも少しぴったりとしていて、なんだか背筋が伸びるような思いがした。これを用意してくれたことに思いをはせていると、ダイバが少し苛立った声を出す。

「……まだ?」
「ううん、もう大丈夫! じゃあ朝ごはん食べにいこっか」

 モンスターボールはポケモンセンターに預けてある。朝食がてらそこに行こうと当然のように提案したが、ダイバは首を振った。

「いらない。さっさと施設に挑戦しに行く」
「えっ……? 朝ごはんはちゃんと食べないと力が出ないよ?」
「うるさいよ、君は僕より弱いんだから大人しく言うことを聞いて」

 何か、すごく不吉な焦りを伴った声だった。妙に態度の変わったダイバに、ジェムは昨日の夜ダイバがどうしていたかを考えて問いかける。

「昨日、あなたのお父様に何か言われたの?」
「……関係ない」
「関係ない……? そうだとしても、朝ごはんまで要らないなんて言うなんておかしいよ。腹が減ってはバトルは出来ぬっていうし……ね、ちゃんとご飯は食べよう?」
「なんで僕が君のいうことを聞かなきゃいけないのさ」
「いうこと聞くって約束したし、無理にとは言わないけど……ダイバ君は私より強いんだからお腹が減ってるせいで負けたりしたらもったいないでしょ?」
「……はあ、わかったよ」

 何が関係ないのか、をダイバは言わなかった。ジェムには関係ないと言っているようでもあり、ダイバの父親に言われたことなど関係ないと言っているようでもある。正論だと判断したのかしぶしぶ納得したダイバは、それでもジェムより先に部屋を出てしまう。やはり何か焦っているようだった。慌ててついていくジェム。そのまま二人で近くにあるポケモンセンターのフードコートまで歩いていった。

「……いただきます」
「いただきます!」

 ジェムはジャムトーストにスクランブルエッグとベーコンサラダに牛乳、ダイバは目玉焼きに味噌汁、白米のお椀にお茶だった。しかしただのお茶だと思ったら中に平たい黒い物体が何枚か沈んでいる。

「変わったお茶ね。何が入ってるの?」
「……昆布」
「昆布? あの海の?」
「……そうだよ、梅こぶ茶」

 昨日までならどうせ聞いても答えてくれないと思ってしまっていたけど、ジェムは臆さず色々聞いてみようと
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