第2章:異分子の排除
第44話「近付く報い」
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宿していない以上、魄翼を切り裂く事は叶わない。
...だが、秋十にとってはそれでよかった。
「今だ!」
「きょっこーざん!!」
秋十の背後から回り込むように小さな影が飛び出し、U-Dの背後から斬りかかる。
小さいながらも途轍もないスピードに、魄翼の対処がギリギリになる。
「撃ち抜け...!“ブラストファイアー”!!」
「【っ....!?】」
さらに、もう一つ影が飛び出し、U-Dの正面から熱線を浴びせる。
しかし、それはSEを使った障壁に阻まれる。
「頭上注意だ。吼えよ!“ジャガーノート”!!」
それすらも読んでいたと言わんばかりに、頭上から闇色の光が降り注ぐ。
魄翼と障壁で守りを固めるU-Dだが、それを押し潰すような爆発を引き起こす。
「ナイスだチヴィット!さぁ、仕上げだ...!」
小さな影...そう、チヴィット達は、ずっと秋十の背後に張り付いていた。
そして、隙を突いてレヴィが気を逸らし、シュテルが防御行動をさせ、ディアーチェがさらに隙を作り....最後に...。
「万象を断ち切る...!“四気一閃”!!」
四属性全てを宿した一閃が放たれる。
火の如き苛烈さと、水の如き流麗さ、風の如き速さ、土の如き重さを兼ね備えたその一撃は、魄翼と障壁をいとも容易く切り裂いた。
「マドカ!!」
「任せて!」
さらに、遠距離組が逃げ場を断ち、最後にマドカにトドメを任せる。
マドカの単一仕様であるならば、一撃でSEを削り切る事ができるからだ。
「“エクス.....!」
ブレードを構え、エネルギーを収束させる。
この一撃を放てば、マドカはほぼ戦闘不能になる。
故に、外せない一撃。
―――.....だが、それを意図せず阻む者がいた。
「はぁあああっ!!」
「なっ...!?」
いつもと少し姿の違う白式を纏った一夏が、不意打ちの如くU-Dに斬りかかる。
そのせいで、マドカの攻撃を放つタイミングを逃してしまう。
「待たせたな!俺がいればもう大丈夫だ!」
「っ...!こんの大馬鹿が!千載一遇のチャンスを...!」
「あ?何言って...。」
「くっ...!」
不意打ちの一撃で油断していた一夏を庇うように秋十が魄翼の一撃を防ぐ。
意表を突いて作り出したチャンスは、既に潰えていた。
「【AI達で隙を作ったのは見事だ。しかし、残念だったな。】」
「ぐ、ぅ....!」
「なっ!?無傷!?」
「ぐっ...!?」
驚く一夏を余所に、U-Dは魄翼で秋十を吹き飛ばす。
「【...お前だけは絶対に逃がさない。】」
「がっ....
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