ガンダムW
1637話
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ともあれ、バートン財団の兵士は太股から血を流しているが、それでも致命傷ではない。
まぁ、太股を撃たれたことで出血多量になって死ぬ可能性はあるが、さすがにそこまでは面倒を見切れない。
「いや、生きてるけどよ」
俺の言葉にデュオが溜息を吐きながら、それでもそれ以上は何も言わずに議事堂の中を進んでいく。
このコロニーの政治家辺りがいるかもしれないと思っていたが、誰もいない。
聞こえてくるのは、議事堂の外から聞こえてくる音と、今俺が撃ったバートン財団の兵士の痛みに呻く声のみ。
政治家はおろか、職員の1人もいないというのは……少し疑問だな。
いるのは、兵士……いや、兵士達のみ。
「……おい。何で議事堂の中には誰もいないんだ?」
「ぐっ、は、ははは……お前達が来たところで、もう遅い、遅いんだよぉっ!」
呻いているバートン財団の兵士に尋ねると、次の瞬間精神が肉体を陵駕したのか、思ったよりも素早い動きで懐から拳銃を取り出すと、そのまま俺の方に銃口を向け……
「アクセル!」
背後から聞こえてくるデュオの声を聞き流しながら、兵士の手を掴むとそのまま拳銃諸共に男の手を握り潰す。
手の中にあるのは、男の手の骨が砕ける感触……それも、拳銃諸共に。
「があああああああああああああああああああああああああああああっ!」
その痛みに悲鳴を上げる男。
するとその悲鳴に反応したかのように、一斉に兵士達が姿を現す。
……俺の予想通りに。
だが、予想外の事もあった。
姿を現した兵士達は、俺によって悲鳴を上げている男を助けるような仕草を一切せず、それどころか纏めて撃ち殺すべくトリガーを引いたのだ。
正直なところ、混沌精霊の俺は物理攻撃を受けても全く効果はない。
だが、今はまだ俺の正体やら魔法やらといった内容を他の者達に見せる訳にもいかず、しょうがないので男をその場に残して一気に柱の裏へと飛び退る。
するとそこには、上司の俺を見捨てて自分だけ安全圏に隠れ潜んでいるデュオの姿もあった。
「上司を見捨てる部下ってどう思う?」
「そう言われたってよ。俺にどうしろってんだよ? あの状況で出来るのは、それこそ回避するくらいだろ?」
「ま、この場はそういう事にしておくよ。ただ、後で凛に色々と話があると思うから、そのつもりでな」
姿を現したバートン財団の兵士達が、途切れる事もないままに銃を撃ち続ける。
そんな銃声の中でも、俺とデュオは普通に話をしていた。
マシンガン、アサルトライフル、拳銃……そんな銃声の数々。
「おいっ! 冗談だろ!?」
「さて、どうだろうな。ただ、この後の戦いで役に立たないと……凛がどう判断して、どんな行動をとっても、俺には関係ないが」
「いや、待
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