85部分:雷神その一
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方から包囲されようとしている。ここは一先ず退き態勢を立て直す」
如何にも合理的で冷徹なブルーム王らしい考えだった。騎士達も納得して頷いた。
「皆に伝えよ。傷を負っている者や軽装の者は食糧だけ持ってすぐにコノートへ発てとな。そして次に歩兵や魔道師が行け。次は騎兵、最後はわしが近衛軍である雷騎士団と共に撤退する。事は一刻を争う、すぐに取り掛かれ!」
「はっ!」
騎士達はフリージ式の敬礼をし、すぐに部屋を発った。そして次々とフリージ軍の将兵達が城を発ちコノートへと撤退していった。
夜が明けた。フリージの将兵達は既にそのほとんどがレンスター城からの撤退を済ませており残っているのは王とその側近、そして雷騎士団だけとなっていた。
「では陛下、行きましょう」
「うむ。ところでレンスターから逃れてきた者達は如何した」
「今しがた城を発ちました」
「そうか」
「では我等も」
「うむ」
ブルーム王は側近の者に促され王宮を出た。振り返り王宮を見る。
アルスター王家の時より王宮として使われてきた宮殿である。神殿を思わせる荘厳な造りで有名であり彼もそのまま宮殿として使っていた。
「この宮殿とも暫しの別れだな」
その時王の脳裏に一つの事が浮かんだ。
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