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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第九話 緊張 ―テンション―
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完全に運任せとなっている。平たく言えば仲間内で遊ぶか知らない人間と遊ぶか、という二択になっているのだ。誰と戦うことになるのかというドキドキ感はあるものの、あまりにも実力のかけ離れた人物同士がマッチングしてしまうこともある。改善点を見つけた、とシュテルとショウは考えていた。
が、不快にさせてしまったかな、とどこかそわそわしていた紗那の様子を見て、安心させるように首を振る。
「あぁ、大丈夫ですよ。貴重な意見を聞かせてもらいました」
「えぇ、彼の言うとおりです。強者になってしまったが故に見落としてしまっていた部分ですから。博士は“ドキドキを大切にしたい”と常々仰っていますが、反面そういった弊害もあるのですね……今後のことを考えてきちんと検討しなければ」
「頑張れよ」
「……手伝ってはくれないのですか?」
先ほどまでと打って変わって澄んだ瞳で嘆願するシュテル。それに対して疾風と紗耶は思うところがあったが、ショウは気にした素振りも見せず普段と変わらない態度で「そのとき暇ならな」と返している。冷たいようにも見えるが、当のシュテルが満足そうな顔をしているのできっとこれでいいのだろう、と疾風と紗那は陰ながら思うのだった。
「まあ参考になったんならよかったぜ。……で、だ。お二人さん」
そこで疾風は自分のブレイブホルダーを取り出し、向かいの二人にニヤリと笑って見せた。
「せっかく会えたのもなんかの縁だ。よかったら一戦、どうだい?」
「!?」
「……なるほど。構いませんよ、受けて立ちましょう……ショウが」
「いや、何でこの流れで俺だけなんだよ。お前も受けろよ。1対1でも2対2でするにしてもお前も頭数に入るだろうが」
疾風の申し出に驚愕する紗那だったが、ここまでによく見てきたやりとりはしているもののシュテルもショウも疾風の申し出には肯定的だった。故に、それに泡を食ったのは紗那のみ。慌てて疾風に向き直ってわたわたと手を振り回した。
「そ、そんな! ロケテスターでかつ上位デュエリストの二人に……!」
「おいおい、何言ってんだよ。これはゲームだぜ? 勝つ可能性はもちろんあるさ」
「そ、そりゃそうかもしれないけど!」
「それにやらないなんて勿体ねぇし、何より面白そうだろ?」
「そ、それも確かにそうだけど!」
疾風には物怖じとか緊張って概念がないのか、とすら思ってしまった紗那。が、シュテルの方からも疾風への援護射撃が来た。
「先ほども言いましたが今回こちらへ赴いたのは修行も兼ねています。何より……おふたりは通り名を持つほどのデュエリスト。申し出がなければこちらからお願いしていました」
「……だってよ?」
「うぅ……分かった、よ」
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