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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第九話 緊張 ―テンション―
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題はそこで終わりとなる。その後シュテルから尋ねられたのは、少しだけ真剣な話題だった。

「お二人から見て、ここでのブレイブデュエルはどうですか?」

「どう、っていうと……」

「率直な感想を教えて下さればそれで良いですので。海鳴以外でのブレイブデュエルの稼働状況がどのようなものか、ということを調べることも、実はここに来た目的の一つなんです」

「んじゃ、ここのスタッフさんに聞いてもらった方が良いんじゃ……」

「いえ、やはりゲームのことを一番よくわかっているのはそのプレイヤーさんでしょうから」

 というシュテルの言い分に疾風と紗那は一瞬だけ顔を見合わせたが、正直に答えていいのならばと、少し思案しつつ答え始める。

「なら素直に言うけど、純粋に楽しませてもらってるぜ。他のデュエリストも個性派の連中ばっかりだけど、特にデカい揉め事とかトラブルが起きたって話も聞かないし……いい環境なんじゃないかな」

「私も……同意見です、ね。老若男女、戦術もデバイスも千差万別で個性的です、し……飽きるという言葉から一番無縁なんじゃないかと思いま、す」

「俺はこいつに誘われて、稼動初日からプレイを始めたんだ。それからはずっと続けてるけど、いいんじゃないかな。ゲームバランスとかレアカードの排出率とか、そこまで鬼というか……難しい、とっつきにくいっていう印象はないよ」

「……でも……」

 途中まで順調に話していたが、紗那が何か思い当たったのか口ごもった。が、その先を言うか言うまいか決めあぐねている。まぁ目の前にいるのは憧れの人物である以前に、ブレイブデュエル自体の古参だ。多少ネガティブな印象を口にするのを躊躇ってしまうのも、仕方ない部分もあるかもしれない。が、シュテルはそんな紗那の葛藤をほぐすように微笑し、先を促した。

「何でも言って下さい。正式稼働後にデュエリストになった方々からは、ロケテストを行っていた私たちには見えていないものも、見えているかもしれませんから」

「……マッチングは、ちょっと問題あるかも、って。今って特に制約なく対戦できますけ、ど……いきなり初心者の人達と当たっちゃったりすることも、あって……」

「あー……言われてみれば確かに。カードレベルとかプレイ時間とか見ないでマッチングするから、ドキドキ感はあるんだけど……始めたばっかの人が上級者と当たっちゃうと、自信なくしちゃうこともあるかもな」

「なるほど、そうですか……ふむ……」

 二人の言葉を聞いたシュテルは納得したように小さく呟き、思案する。ショウの方も口には出さないが、何事か考えているようだった。確かに現在のブレイブデュエルのマッチングシステムは、乱入歓迎のオンオフ程度しかなく、どの程度の経験を積んだデュエリストと当たるかどうかは
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