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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第九話 緊張 ―テンション―
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した。これが彼らなりのじゃれ合いと言うか、平常運転なのだろう。

「それにしても……よくよく考えると不思議だよな。あの“星光の殲滅者”に紗耶の探してた“漆黒の剣士”が目の前にいるだなんてな」

 と、疾風は何を思いついたのか、唐突に何やら悪い笑顔を浮かべた。紗那はそれに嫌な予感がしたので口を挟もうとしたが、それに違わず疾風に爆弾を投げ込まれてしまった。

「ちなみにここにいる紗那も、通り名持ちなんだぜ?」

「ちょ、ちょっと疾風! そんな、わざわざ言わなくても……!」

「ふむ……それは是非教えて頂きたいですね」

「シュテルさ、ん!?」

 疾風を止めようと思ったらシュテルの方に先に反応されてしまい、紗那はかなり狼狽えた。が、止める間もなく疾風はシュテルに彼女の通り名を教えてしまう。

「“風雪の忍”って、聞いたことないか? それがこいつの通り名」

「風雪の……忍?」

 あわあわと慌てている間に通り名をバラされてしまい、恥ずかしさに俯く紗那。綺麗な名ですね、と笑むシュテルだったが……それとは違う反応をする者がいた。ショウだ。どこか怪訝そうな表情で、通り名を小さく口にした。

「ショウ、知っているのですか?」

「あぁ……ちょっとな」

「ちょっとではわかりません、きちんと話してください」

 言葉少なく答えたのだがシュテルに急かすように言葉を重ねられ、小さく嘆息しながらショウは口を開いた。

「……ユウキの初対戦の相手だ」

「ユウ、キ……? あっ、あの……黒妖精の……」

「覚えてるんですか?」

 ショウに直接話しかけられ、緊張が走る紗那。が、ユウキという名前に聞き覚えがあったのは事実だ。かつて自分から挑んだもののとてつもない成長速度で返り討ちにされた、黒き妖精のアバターを使っていた少女のことだろう。そう思った紗那はショウが相手だが頑張って答えようと、どもりながらも口を開いた。

「ははは、はい。か、かなり印象的な娘でしたか、ら……ボロ負けしました、し」

「まあ……あいつはゲームに関しては天才ですから。成長速度が馬鹿げたレベルですし。あの日だって初日だったんですけどね」

「や、やっぱり初プレイだったんだ……」

 薄々わかってはいたものの、やはり現実として突きつけられるとクるものがあったのか紗那は少々落ち込んでしまう。が、向かいの二人は件のユウキがどういう人物か知っているので、苦笑したような雰囲気でフォローに入った。

「落ち込む必要はありません。先ほどショウも言いましたが彼女はゲームに関しては本当の天才です。先に始めてもいつの間にか追い越されていた……というのはよくあることですので。特にそこの彼が」

「何で人の心を抉ってくるんだ……まあ事実だ
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