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詩織の【中学校の美術の授業】
「手を組んで、上に突き上げる。ちょっと腰をひねって」
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[1] 最後
中学生の話じゃ期待できないなんて思ってるでしょ。

大丈夫(?)。女の子の裸、出てくるよ。

クロッキーって言葉、その授業で初めて知った。
古典のクロッキーの名作を何点か観た。裸婦もあったけど、デフォルメされてるから、なんてことない。
それから、椅子をゲームみたいに円く並べて、
教師が適当に指名した男子を中心の椅子に座らせて、クロッキー開始。
あ、上半身だけ裸ね。男子だから、なんてことない。

十五分で交代。クロッキーは短時間の芸術だし、モデルの子も描かないといけないし。

「次は……」
教師の言葉にかぶって、
「ハイ!」
と立ち上がったのが、なんと女子。
「おいおい、女子は……」
「だめですかぁ?」
と、シャツを脱ぎだしてた。

わ、ノーブラ。
そして、貧乳。
中学生の胸じゃないな。

教師が熱意に負けてOKを出すと、その子は、とてもナチュラルに、中心の椅子に着いた。

男子は突然の女子のおっぱいに、どう反応していいかわからないようだった。つまり、異様に静かだった。

このあと、

背中ばっかりだから席を移動したいと言う女子Aが現れ、
それなら、モデルの人数を増やせばいいと、女子Bが有言実行、自ら半裸になった。

私は、巻き添えで半裸。

3人でモデル。名付けて、阿修羅式クロッキー。

──────────

恥ずかしかったかって?

シャツを脱ぎ、ブラを外す時は、恥ずかしかった。
でも、おっぱいを出したら、平気。むしろ嬉しい。

嘘じゃないよ。

ポイントは中学生時代ということ。

乳房を女性のシンボルだと誇りに思い始める頃で、
おっぱいが成長するのが本当に嬉しい時期。

だから、お風呂は“おっぱいチェックタイム”。自分で揉んだりするし。

それにおっぱいって、健康美の象徴だと思う。

私だけかな?

とにかく、
“チラチラ見るからいやらしいのよ”
“きれいでしょ、もっと視て”
という気持ちだったんだけど、やっぱり、変態かなぁ?

──────────
美術の時間が終わると、すぐに普通の一日に戻った。
クラスメイトのおっぱいなんて、もう一生見られないでしょうけど(結婚でもしない限り)、私を含め、おっぱいを見せた三人が、冷やかされたりすることはなかった。
いつまでも騒いでいると、スケベ扱いされてしまい、他の女子から嫌われてしまうとわかっていたのかなぁ。

──────────
昼休み。

女子Aが、私の机に来た。

「背中しか見えない」と発言した張本人だ。
この際、はっきり名前を書こう。美奈子だ。

美奈子はクロッキー帳を見せた。
「うまい……」

やや斜めから捉えた、私の上半身。
つい、自分の乳房
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