アージェント 〜時の凍りし世界〜
プロローグ
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]Uまでの十二個が存在、今までに十個が発掘され、残り二つも所在は判明している。
「……と、まあこんな所だな。」
説明を受け、三人の魔法少女はそれぞれに思考を巡らせる。
(なんだろう……単純に世界を滅ぼしたいなら一個で十分だよね?)
(複数必要って事は……単純に使うつもりはない?)
(殺す気がないっちゅうことはつまり破壊が目的じゃない……って、思いたいけどなぁ……)
結論はでない。確かなのは、次は奪われるわけにはいかない。それだけだった。
《アージェント》にあるとある集落。伝統的な木造建築が立ち並ぶこの山間の村の片隅、ある家の戸を一人の少女がくぐっていた。
「暁人、いる?」
「エヴァか。何の用だ?」
応対するのは少年。暁人と呼ばれたその少年の返事はぶっきらぼうなものだった。
「冷たい反応ね。せっかくこんなに可愛い幼馴染みが来てあげたんだからさ、もうちょっと何かないの?」
膨れっ面で文句を言う少女――――エヴァ・ローズマリーは確かに美少女ではある。(自分で言うのはどうかと思うが)しかし、少年――――白峰暁人にはそんな事は一切関係なかった。
「三度目は言わない。何の用だ?」
「……相変わらずツレないわね。」
そうは言うものの、薄々予想はしていたエヴァ。期待値が低かったために、そこまで落胆もしていない。
「ハイこれ。」
ポケットから自身のカード型デバイスを取り出し、ある文章データをホログラム表示する。
「次の移送の警備計画書。必要でしょ?」
「……助かる。」
短く礼を言った暁人は、ペンダント状の待機形態をとる自分のデバイスを軽く叩き、データの転送を受ける。警備計画書を読むにつれ、だんだんと顔が険しくなっていく。
「……管理局のトップエースが三人か。奴等、余程俺が目障りなんだな。」
「そんな事言ってる場合?ランクで見れば三人とも暁人とそう変わらないのよ?」
「やってみないと分からないが……算段はあるし、確率もそう低くはないだろう。」
「ホントに?……まあ、暁人が言うからにはそうなんでしょうね。」
ここまでの会話で分かるだろう。彼、白峰暁人こそ、現在進行形でこのアージェントを騒がせている連続ロストロギア強奪犯、その張本人である。エヴァは管理局情報部に所属しており、そこから《スノウスフィア》の移送情報を流していた。
「これを奪えば残りは七つ……先は長いな。」
「……ねぇ、本当に十二個全部必要なの?」
「ああ……スノウスフィアは十二個全部揃って相互に安定させあう。……本
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