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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十六話 孤高のスタンドプレイヤー
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だけどここからは通常の身体では対応不可能だ。
すでにイル・スフォルトゥーナとの戦闘で疲弊してるのもあって、今の俺にできることはこれくらいしかない。
でも、だからこそ残されたものを全部振り絞って勝つんだ。
「ふっ!」
全ての準備が終わったことを確認した俺は、小さく息を吐きだした瞬間をスタートにして走り出した。
だけど一歩、二歩の踏み込みを終えた時にはすでにケイジさんの背後に回り終えており、俺は音や景色が遅れてやってくる感覚に囚われながら抜刀した。
「チッ!」
抜刀した刃はケイジさんの首を斬る予定だったけど、ケイジさんは瞬時に大剣を背に回しながらしゃがむ。
剣の側面にアマネの刃が当たり、軌道が逸れた上にしゃがまれたことで、俺の一閃は空を切る。
けど、ケイジさんの対応が明らかに遅い。
――――いける。
そう確信した俺は、尽かさず刀を振るった。
「はぁああああっ!!」
光速を超える速度で放たれる無数の剣閃。
それをケイジさんは回避と剣で捌くことを同時に行うことで何とか防ぎきる。
「うおらぁあああっ!!」
しかも防戦一方にならず、ケイジさんは剣戟の中で詠唱を行い、空中に複数の魔力弾を生み出して俺に向けて放ってきた。
それは歴戦の中で得たスキルなのだろう。
俺にはマネできないそれを、後ろに飛ぶことで回避した。
「そこだっ!」
着地した瞬間にはケイジさんが間合いまで詰めており、漆黒の大剣は魔力を帯びて俺に迫ってきた。
横薙ぎに振るわれたそれは、俺の上半身と下半身を分けることができるだろう。
そんな戦慄するような未来を回避するため、俺は上段の構えからその大剣の側面に向けてアマネを振り下ろした。
「グッ……!?」
そのまま受け止めることができれば、なんて思ってたけど細身の刀じゃケイジさんの大剣を受け止めきれず、激しい火花を散らせながら俺に刃が迫る。
上段からの一閃で軌道が逸れることなく迫るケイジさんの斬撃を、俺はアマネを支えにしてジャンプし、側転の要領で大剣の真上を飛んで回避した。
そこから着地をせず、飛行魔法でその場からの加速をし、大剣の振りで身動きがとれないケイジさんへアマネを振るった。
「舐めんなぁっ!!」
怒声をあげるケイジさんは柄を両手で握り締め、力いっぱいに大剣の振るわれていた方向を変えて再び俺に向けて振るった。
しかも今度は大剣の角度を90°……つまり刃の面ではなく、幅の広い側面にした状態で俺に振るった。
刃ならば回避可能だったそれを、俺は直撃して壁まで思いっきり振り飛ばされた。
「ぐはっ!?」
背中から強く打った身体は壁にめ
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