第3章:再会、繋がる絆
第95話「再会し、繋がった絆」
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「そうね。まさか半年前の事件が続いていただなんて、予想できないわよ。」
「だけど、解決したおかげで、司ちゃんはああして本当の笑顔になれた。」
士郎が見つめる先は、今まで心から笑っていなかった司の笑顔。
「...あれはまた別よ。」
「...そうだね。」
ただし、それは“お話”している際の笑顔なため、思っていた笑顔と違った。
「神社にいた時に見た笑顔は、本当に幸せそうだった...。」
「事実、幸せになれたのよ。司は。」
まだ優輝達が神社にいた時、士郎も様子を見に来ていた。
その時に、本当に幸せそうに笑っていた司の笑顔も見ていたのだ。
だから、士郎も司が“幸せになれた”と思ったのだ。
「...その“幸せ”の要因が要因だから、少し妬くのだけど...。」
「何か言ったかい?」
「...別に。」
少し頬を膨らませそっぽを向く椿に、士郎は“優輝君も罪だなぁ”などとつい思った。
「(今分かっているのだけでも、椿、葵、今はいないけど緋雪ちゃん。それと、勘だけど司ちゃんと奏ちゃんも。...まだ分からないのはアリサちゃん、すずかちゃん、アリシアちゃんだな。)」
勘のいい士郎は、優輝を好いている面子を予想する。
なお、その予想はほとんど当たっていたりする。
「まぁ、頑張って。僕は他の場所に行くよ。」
「....?え、ええ。」
“ライバルは多いぞ”などと士郎は椿を心の中で応援しながら他の場所へ向かった。
椿は一体何の事かは分からなかったため、諦めて食事に戻った。
=優輝side=
「.......。」
パーティーが続く喧騒を、僕は眺めるように無言で見る。
アリシアは既に司や奏から解放され、皆と同じように楽しんでいる。
司と奏も同じように楽しみ、皆が皆、雑談などで楽しんでいた。
「...どこか、嬉しそうね。」
「...そう見えるか?」
皆を見ている僕の所に、椿と葵がやってくる。
「ええ。前世があるからか、どこか老成した雰囲気だったわよ。」
「失礼な。未だに老いた事はないっての。」
前世でも30歳に届いていないのに。
...あれ?むしろこれって長生きできてないから悲しいんじゃ...。
「でも、まるで孫たちに恵まれて、それを眺める人みたいだったよ?」
「ひどいな...。」
葵にまでそう言われて、若干へこむ。
「...それで、何が嬉しかったの?」
「まぁ、あれだよ。...“日常”が戻ってきた感じがあってな...。」
今まで、戦いの連続だったため、こうして平和になったのがどこか感慨深かったのだ。
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