第3章:再会、繋がる絆
第95話「再会し、繋がった絆」
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ガシッ
「....あ....。」
「アリシアちゃん...“お話”の続き、する?」
「...私も、少し“お話”したいわ。」
挟むように司と奏がそれぞれアリシアの肩を掴み、逃げれないようにする。
二人の雰囲気に気づいたアリシアだが、時すでに遅し。もう逃げられなかった。
「わ、私はパーティーを楽しみたいなぁ...なんて...。」
「大丈夫。パーティーは結構続くから。」
「ご、ごめんなさーい!」
琴線に触れてしまったアリシアはそのまま司と奏に“お話”されるのであった。
「...だから言いましたのに...。」
「またか...。」
溜め息を吐いて呆れるリニスと優輝。
「司ちゃんちょっと変わった?」
「...まぁ、アリシアに余計な事吹き込まれて少し怒っているからな...。そこにあんな煽りが入れられたらそりゃあ...ね。」
「あー....。」
矢を抜きながら聞いてきた葵に、優輝は達観した目でそう言った。
「卑屈にならなくなったのは、良い変化ですね。」
「ようやく救われたって事さ。優しいからこその心の脆さ...それがあいつの欠点だったからな。一度否定され、そして吹っ切れたのなら、その欠点も克服しただろう。」
「...だといいですね。」
優輝の言葉のおかげで、司の考え方は少し変わった。
自分を卑下する事が滅多になくなり、ネガティブな思考にならなくなったのだ。
「あれはあれで問題がありそうですが...。」
「...あれはただの反動だろう。...そうであってほしい。」
アリシアに対し、“お話”をする司を見てリニスと優輝は苦笑いする。
実際、恋心をからかわれて少し怒っているだけで、二人の心配は杞憂である。
「あたし達...。」
「やっぱり、どこか蚊帳の外...。」
「まぁまぁ、今の内に料理を楽しめばいいんだよ。」
二人に置いて行かれるように、アリサとすずかが呟く。
そんな二人に対して、葵が励ましついでに用意されていた料理を渡す。
「士郎達、本当に色んな料理ができるのね...。さすが店を経営してるだけあるわ。」
「やぁ、皆楽しんでるかい?」
椿が料理の豊富さに感心していると、そこへ士郎がやってきた。
どうやら、皆が楽しめているか少し見回っているようだ。
「噂をすれば...ね。」
「...楽しんでいるようだね。それにしても、司ちゃん達はいいのかい?」
「...まぁ、大丈夫でしょう。優輝とリニスが一応見てるもの。」
少し周りに咲いている花から、椿たちは楽しんでいるのだと士郎は察したようだ。
「詳しい事情はよく知らないけど...大変だったようだね。」
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