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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第95話「再会し、繋がった絆」
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中々直らなくなっている。

「僕の腕と共に少しずつ直っているみたいだ。僕自身も直しに掛かっているけど、やっぱり何らかの力が働いて直しきれない。」

「そうですか...。」

 優輝の腕も治療魔法をかけても回復しない状態になっている。
 治療や修理をしても決して全快はしなくなっているのだ。

「それが神の力を使った代償よ。...むしろ、その程度で済んだのが凄いわ。」

「本来なら腕を消失してるとか...それぐらいだよね?」

「ええ。しかも、あれほどの威力なら腕どころか命を対価にする程よ。本来ならね。」

 椿と葵の言葉に、アリサとすずかは顔を青くする。
 話に少しは聞いていたとはいえ、一歩間違えればそうなっていたと理解したからだ。

「例え神職者でも、腕を対価にするのが限界よ。それを傷を負う程度に済ませたのは...。」

「神降し後だから....じゃないのか?」

「...それが、私にも分からないのよ。その様子だと、優輝も分からないのね。」

 そう、実は“代償”がその程度で済んだ理由が、椿でさえ分からなかったのだ。

「本来、“代償”で失ったものは元に戻らない。でも、優輝の場合は少しずつ治っている...それも異常なんだけど...原因が分からないのなら、仕方ないわね。」

「....“代償”関係なしに回復する可能性は?」

「絶無と言っても過言じゃないわ。....でも、ゼロでもないわ。」

 “代償”というのは、大抵が対価となるモノの“存在”と引き換えとなっている。
 だが、相当軽い“代償”であれば、“傷”で済む場合がある。
 それならば治るので、椿は可能性がゼロではないと言った。

「...とにかく、今後は絶対あんな事しないように。今回と同じ結果とは限らないんだから。」

「分かったよ。僕だってあれを使う機会は来て欲しくないから。...心配性だな椿は。」

「なっ...!?勘違いしないでよね!?ただ私が見てられないだけなんだから!」

「それを心配性というんだけどなぁ、かやちゃん...。」

 ドスリとまたもや葵の頭に矢が刺さる。
 刺した張本人である椿は、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

「....むぅ...。」

「......。」

 その様子を見て、司が面白くなさそうにし、奏もどこか不満そうになっていた。

「あっれ〜?司と奏、もしかして妬いてる?ねぇ、妬いてる?」

「司?...なるほど...。アリシア、からかいすぎはよくありませんよ。」

 さらに、その二人に対しアリシアがからかい、リニスが事情を察する。
 また、リニスは精神リンクから司の感情を読み取り、アリシアに“忠告”をする。
 ...そう、“忠告”だ。

   
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