外伝〜仔猫の宅急便〜前篇
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を傾げたその時、扉がノックされた。
「お館様、会議中の所申し訳ありませんが、少々よろしいでしょうか?」
「ああ、構わない、クラウス。」
「――――失礼します。」
アルゼイド子爵の許可を聞いたアルゼイド子爵家に仕えている執事であるクラウスは扉を開けて部屋に入って来た。
「それでクラウス、何かあったのか?」
「はい。少々風変わりなお客様がお館様達との面会を希望されています。」
「”風変わりな客”だと?クラウス、その者は何者なのだ?」
クラウスの報告が気になったラウラは眉を顰めてクラウスに訊ねた。
「はい。名前を伺った所”仔猫の宅急便”とお答えしまして……お館様とオリヴァルト皇子殿下、そして”Z組”の皆様に直接届ける必要な物がある為、お館様達との面会を希望しているとの事です。」
「”仔猫の宅急便”……?」
「一体何者なんだ……?」
「しかも何で私達にまで用があるのよ……?」
「どう考えても怪しすぎ。」
「!ちょっと待って……子爵閣下はわかるけど、この屋敷にあたし達やオリヴァルト殿下がいる事をその”仔猫の宅急便”と名乗っている人物は何で知っているのよ!?」
クラウスの話を聞いたガイウスとマキアス、アリサは不思議そうな表情で首を傾げ、フィーはジト目で呟き、ある事に気づいたサラは厳しい表情で声を上げた。
「あ……っ!」
「その人物は貴族連合やメンフィルから身を隠している私達の正体に加えて居場所まで把握していたとの事になりますね。」
「……状況から考えて貴族連合かメンフィル、どちらかの勢力に所属している人物でしょうね。」
サラの言葉を聞いたトワは声を上げ、クレア大尉とセリーヌは真剣な表情で推測した。
「クラウス、その”仔猫の宅急便”と名乗っている人物は一体どういう人物なのだ?」
「そうですな……年齢はフィー様くらいに見える菫色の髪の少女です。」
「え……フィーちゃんくらいの年齢の女の子ですか?」
アルゼイド子爵の質問に答えたクラウスの答えを聞いたエマは戸惑い
「菫色の髪の少女に”仔猫”………―――!」
「まさか……いや、でも”彼女”ならこんな大胆な事をしてきてもおかしくないな……」
一方クラウスの話にあった謎の人物について心当たりがあるシャロンは目を見開き、オリヴァルト皇子は信じられない表情をしていたがすぐに苦笑した。
「殿下はその人物について心当たりがあるのですか?」
「ああ。―――私の予想通りなら、”彼女”とすぐにでも会って話をするべきだ。”彼女”ならばユーシス君の件を含めたメンフィルとエレボニアの戦争についての事情に詳しいだろうしね。」
「ええっ!?じゃ、じゃあ、その人って…
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