第三十六話 葬儀その六
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「対することが出来ました」
「そして信仰もですね」
最後にデューダー卿が言った。
「旧教第一になっていましたね」
「新教の信仰を許しても」
「あくまで第一は旧教であり」
「今や多数派になっている新教は」
その彼等はというと。
「その下に置かれていました」
「旧教徒の」
「ロートリンゲン家は旧教の家です」
旧教の擁護者とされている、それだけにだ。
「ですから」
「そのことは」
「絶対でした」
彼等にとってというのだ。
「そうでした、ですから」
「信仰のことでも」
「守られてよかったです」
まさにというのだ。
「まことに」
「左様ですね」
「はい、これからですが」
「その帝国、ロートリンゲン家とはですね」
「国内で対峙することなく」
「素直な盟友同士として付き合える」
「そうなりましたね」
「そうです、共に王国と対する」
そうした立ち場でというのだ。
「そうなりました」
「有り難いことに」
「そうなったのですね」
「彼等とはさらによき盟友になれた」
「そうなのですね」
「油断のならない相手ですが」
それでもというのだ。
「少なくとも盟友です」
「敵ではなく」
「そうしてですね」
「あの国は」
「そうなのですね」
「そうです、しかし王国ともです」
ここでだ、マリーは彼女達の国にとってまさに不倶戴天の敵であると言っていいその国の話もしたのだった。
「出来る限りです」
「対しない」
「そうすべきなのですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「戦争は多くのものを失います」
「だからこそ」
「対してもですね」
「出来るだけ避ける様にする」
「そうしていきますか」
「そうも考えています」
「戦争はないに越したことがありません」
実際にマリーがこれまで武力を用いたことはない、国外に対しても国内に対しても。この国も数多くの戦争を経てきたがだ。
「破壊と殺戮を生みます」
「だからですね」
「それで、ですね」
「戦争は避ける」
「出来るだけ」
「はい、あってはなりません」
出来る限りはというのだ。
「優れた軍隊は必要ですが」
「攻めるべきではない」
「守る為のものですね」
「内外に対して」
「そうあるべきですね」
「四国を一つにするにも戦争よりも」
それよりもというのだ。
「今のままです」
「婚姻等によりですね」
「進めるべきですね」
「今の様に」
「そうあるべきなのですね」
「そうです、ロートリンゲン家の様にです」
太子、この国において時には手を結び時に対していた彼の家と同じ様にというのだ。
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