第二話「永遠の”のぞみ”と”ひかり”」
けんか
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会議後の廊下にて
ミナ「テツユキ君、何であの時(1話)言ってくれなかったの?」
テツ「チェンさんと俺の関係まで話したところで、お前はどう解釈する?
どうせまたチェンさんを恋敵か何かとしか解釈しないんだろう?」
ミナ「何よ、それ。私はもうワガママな子供じゃないの!」
テツ「今でも充分ワガママだよ。
あれだけ甘やかされてどうして大人になってもワガママじゃないと・・・。」
ミナ「何ですって!」
テツ「文句あるかこのビ○チ(禁止用語)!」
のぞみ「やめないか!いったいどうしたんだ二人とも。どうして昔のように仲良く話せないんだ?」
テツ「そんなの・・・大人になりゃ人間変わるもんだろ。」
のぞみ「それにしたって、このいさかいはあんまりだ。私はもう運行から引退するんだぞ。
最後の最後で、いがみあう君たちを乗せるぐらいなら、いっそ走らずに解体された方がよっぽどましだ!」
テツ「ああ、そうかい。だったら俺はもう乗らないぜ。」
ミナ「ちょっと!」
テツ「見送るだけなら外からでも充分だ。せいぜい最後まで頑張って走りな。ミナヨ、お前なんか友達以下だ!」
テツユキはさっさと行ってしまった。
ミナ「・・・のぞみ、私、私は・・・。」
のぞみ「ミナヨちゃん、分かっている、君はもう・・・分かっているから・・・。」
その夜、ミナヨは悪夢にうなされた。
彼女は新幹線・・・300系の車内にいた。何故か小学生時代の姿になっていた。
デッキに出る扉からテツユキが顔を出す。やはり子供の顔。だが、運転士の制帽をかぶっていた。
その目は・・・とても子供の目ではない、冷たい目線だった。すぐに扉の向こうに姿を消す。
ミナヨがあわてて追いかけ、扉を開ける。デッキにテツユキの姿はない。また次の客室。ここにもいない。
またデッキ、客室、デッキ、客室、デッキ・・・。何度も繰り返される。
十六両目に来ても、運転席にたどり着けない。疲れ果ててしゃがんでしまうと、後からテツユキの声。
「お前なんか友達以下だ。」
振り向くとテツユキが立っている。きびすを返してまた扉の向こうへ・・・。
ミナヨがまた追いかけて扉を開け・・・その先には何もなかった。後ろの客車が切り離されて行くのが見える。
ミナ「テツユキ君・・・待ってよ!!!!!!」
そこで目が覚める。前身汗まみれの状態で。
ミナ「・・・最後だけは、一緒に乗ろうよ・・・君と・・・。」
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