艦娘とスイーツと提督と・13
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府内で買える物をわざわざ作って、差し入れにすると思うか?この俺が」
「ですよねぇ〜!……で、これ何です?」
「こいつはな……こうやって食うんだよ」
提督はおもむろに最中の1つを手に取り、明石が面倒臭がって片付けていなかったのであろう(流石に洗ってはあるが)お椀に入れ、そこにポットからコポコポとお湯を注ぐ。すると水気を吸った最中の皮が崩れ、その中から粉末状になったあんこが溶け出して来てお湯と混ざって最中から別の和菓子へと姿を変えた……そう、最中からお汁粉へと変貌を遂げたのだ。
「懐中汁粉って言ってな?生まれたのは江戸時代……まぁ、今のインスタントのはしりって言ってもいいかもな」
「は、初めて見ました!食べてみても?」
「当たり前だろ?お前に食わす為に作ったんだからよ」
提督は苦笑いを浮かべつつ、自分の分も懐中汁粉を準備しようともう1つ茶碗を取り出してお湯を注いだ。
「う〜ん、初めて食ったが……何ともこれは」
「あれ、美味しくないですか?これ。私的には滅茶苦茶美味しいんですけど」
ズルズルと啜っていたお椀から口を離し、首を傾げる提督に話しかける明石。
「個人的には最中の皮はパリパリの方が好きな質なんでな」
提督的にはモ〇王よりもチョコモ〇カジャンボ派だったりするのだ、主に最中のパリパリ具合的に。なので、懐中汁粉のスープを吸って白玉の代役を担わされている最中の皮が許せなかったらしい。
「まぁ、それは個人的嗜好の差って奴ですね。私は好きですよ?コレ」
「そうか?まぁお前さんの為に作ったんだ、お前が気に入ったんなら問題ない」
そう言って段ボール箱を取り出す提督。中身は全て懐中汁粉だったりする。妖精さんに協力を仰ぎながら、防腐処理を施して大量ストックをしたのだ。
「ちょ、ダメですってば提督!依怙贔屓なんて!」
「違ぇよ、これは他の連中も納得の上での処置だ」
「ふぇ?」
「ウチはただでさえ大所帯だからな、工作艦である明石に掛かる負担もデカイ。だから、他の連中からももっと労ってやれと文句を言われてな?」
実際はもっと違う方法での慰安にしろ、と言われたのだがそれは却下した。内容は『ウチのルールに抵触する』内容だったからな。トップである俺自らがルールを破る訳にはいかん。
「疲れた時には甘い物がいいからな、妖精さんやら工員連中と分け合って仲良く食ってくれ」
「えへへ……ありがとうございます」
明石は、そのピンクの髪に負けないくらい顔を赤くしながら、俺の頬にチュッと口付けをしてきた。
「ま、まだ錬度が足りないのでっ。唇は、ちゃんとケッコンしてからにしますっ!」
自分でも無意識にやってしまったのか、わた
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