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おぢばにおかえり
第三十九話 おぢばがえりその五

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「ブスって言われたことはあったけれど」
「そいつ眼科行った方がいいですね」
「私をブスって言ったから?」
「はい、すぐに眼科行った方がいいです」
 今度は真顔で言ってきました。
「何処がブスなのか」
「先輩からは可愛いって言ってもらったけれど」
「あっ、あの茶色のふわふわした髪の毛でお肌が白くて目がきらきらしてる」
「そう、あの人よ」 
 長池先輩です、一年間本当にお世話になりました。今も時々お会いしますが相変わらずとても優しいですしお会いする度に奇麗になっています。
「長池先輩ね」
「あの人にですか」
「そうよ、けれどね」
 私自身が思うにはです。
「そんなことはないから」
「いえいえ、先輩だったら」
 阿波野君はにこにことして私に言いました、いつもみたいに。
「アイドルか声優か」
「またそんなこと言って」
「それもトップの」
「声優さんって」
「だって声も凄く可愛いですから」
「しかも声優さんって実は美人さんばかりだからっていうのね」
「そうですよね」
 このことはその通りだと思います、声優さんは声だけかと思っていたら物凄く奇麗な人、可愛い人が多いです。
「ですから先輩も」
「なれないから、それにね」
 私はその阿波野君にむっとしたお顔で言いました。
「そういうお仕事には就かないから」
「なれてもですか」
「だから私は教会を継ぐの」
 もうこのことは決めています、私としましても。
「お仕事は決まってるから」
「だからアイドルや声優さんにはですか」
「そもそも何でそうしたお仕事なの?」
 私にはとても、と思うのですが。
「そもそも」
「ですから先輩可愛いですから」
「そう言う男の子阿波野君だけよ」
 高校に入ってからも言われたことは一度もないです。
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