Side Story
少女怪盗と仮面の神父 42
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れぞれ違う思考を持つ、貴方とは別個の存在なんですよ?? 相談しろ、話し合え、と言うのなら、欲しい物が明確に分かってる人と、そうでない人の意識の差も理解して、お父様!」
アーレストが現状打破になんらかの力を貸してくれたことは分かってる。
場合によっては戦いを強要される辺境の貴族から、何があっても戦えない高位聖職者への真逆な転身。多分、崖の上に出る前、ベルヘンス卿の仲間と思しき三人の騎士に、この娘が組み込まれても私の立場なら救い出せる、と言ってたアレだろう。
ただ、何故ミートリッテが後の大司教に就任する必要があるのか。
取って付けた大出世に、どんな意味があるのかを知りたいだけだ。
ミートリッテがこの辺りを履き違えて突っ走ったら、せっかくの助け舟も泥舟になるんじゃないのか。
「アルスエルナ王国の立場が不利になる情報を他国に伏せて、一連の事態をとっとと終熄させる。他にどんな料理名が必要だ?」
「私の就職先! 転職理由!」
「それはお前への罰だ。とか、端的に言っても納得はしないよなあ」
額をさすりつつ立ち上がるミートリッテを。
エルーラン王子は、ため息混じりに見下ろした。
「今日……既に昨日か? の昼頃、国境付近にあるバーデルの山荘で山火事一歩手前のぼや騒ぎが起きた」
「え」
「その山荘には、バーデル軍協力の下でアルスエルナの騎士六名に護られたネアウィック村の住民が一人隠されていたが、ぼや騒ぎ後は四名の騎士共々消息不明。監視役として残されていた十名の国境警備隊も全員の斬殺死体が山中で発見されている。傍らに長剣と銀斧が何本か転がった状態でな」
「…………??」
ベルヘンス卿と別れた後は、誰にも妨害されなかった村への帰路。
斧での襲撃は止み、ベルヘンス卿含む『俺達』が追ってくる気配もなく、不審を問うバーデルの言語も聴こえなかったことから、帰還を促されてると感じてはいたが……
まさか、あの時点で国境警備隊は既に殺されていたのか。
(え。待って? 暗殺組織がバーデルの国境警備隊を殺した? なんで? 貴重な取引先を自分達で消す理由がどこに……)
「帰国した騎士の証言によると、護衛対象はアルスエルナの王族を後ろ楯に持つ女性騎士が養っている少女。幼い頃に両親を喪った為、精神面に多少の難は抱えているものの、労働に対する姿勢や運動神経や勉学の面では非常に優秀。人柄も良いことから、村民に愛され、数日前派遣されたばかりの新任神父にも将来性を見込まれていた」
が。
神父と少女が出会ったその日。
バーデルの軍人が現れ、危険な集団の密入国を、自警団及び村長に報告。
ついでに、危険な集団を捕縛するから協力してくれ、と要請してきた為、神父が即日、少女本人には内密
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