暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 42
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
おかしいでしょう?
 真逆です。それぞれの性質が見事に相反してます。
 むしろ、共通点はドコ?
 転職の経緯も、転じた職自体も、まったくもって意味不明です。
 なのに私を次期伯爵に指名したアルスエルナの第二王子と、強引な手段でアリア信仰へと勧誘してくださった神父様は、口を揃えて『私が選んだ』と仰いました。

 ええ、まぁね。
 確かに、教会への出入り自由化を果たす目的で内部抗争に協力、結果的に入信するとは言いましたよ。
 (一応)そこは、(嫌々だけど)認めましょう。

 でもね。
 私は。
 一言も。
 主導者(えらいひと)になる、とまでは言ってません!

 もうね。
 短い間にいろいろありすぎて、脳内処理とか全然追いつかないし。
 口が開きっ放しでアホ面全開になるのも、仕方ないですよね?

 …………ね?

「あの……どうして今そういう話になるのか、私には理解不能なんですが。大司教を選定する権限だか何だか知りませんが、先日渋々入信したばかりで一般信徒の常識教育課程すらこなしてない新米の修行徒が、中間管理職をも数段スッ飛ばしていきなりお国代表な高位聖職者の後継ぎって。人事とか、他の信徒達への心証面で問題あるんじゃ」
「んで、アーレスト。あいつらのほうはどんな感じだ?」
「軍も暗殺組織も隊を分けて行動しているようです。軍側は大森林の入口で貴方が残してきた隊と合流。その場で数人を見張りに立て、主力となる両国混合四隊が大森林の輪郭をなぞる形で暗殺側五隊を追走。こちらへ迫り来る暗殺隊は、ミートリッテさんを追ってきた第三騎士団の方々がどうにか気を逸らし続けていましたが、暗殺隊の誘導によって全隊が集結しつつある為、人数差で圧され気味。バーデル軍に同行する自警団員の誤魔化しも、貴方の予想通りそろそろ限界を超えるでしょう。人目につかない移動を考えると、本当にギリギリですね」
「無視?? ここに来て無視なの?? てか、直に見てきたような具体的すぎる展開を話す神父様! 貴方の目や耳はいったいどうなってるの?? いえまあ私もそこら辺の異常さに期待してたんですけどね??」
「私とあいつで時間を稼いでも、全部を隠し通すのは難しい……か」
「あの! もしもし??」
「バーデル軍も、自国の情報をアルスエルナには渡すまいと必死ですから。世間体が悪いので暗殺組織との関係は否定するでしょうが、騒動の首謀者を確認するまでは引き下がらないと思いますよ」
「聞いてますーっ??」
「何年も前に殺された組織の長に出て来いとは言えないだろ。あちらさんをネアウィック村まで誘導してきたであろう囮の暗殺者が一人でも残ってりゃ良いんだが……分かるか?」
「大森林内の暗殺者全員にバーデル軍の指揮官の顔を少しでも覗かせれば。ただ、この暗闇です。暗殺者を抑え
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ