巡り不変の世界
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線変更などが行われ、卒業後はそちらの方へと就職していった。ISと違い、PTの数には制限がないために受け皿を大きくすることが容易だったのだろう。だが、身体や心に傷を追って学園を去った者も少なくはなかった。
ラウラも軍人として学園を去った口だ。それを補佐するためにクラリッサもドイツへと帰っていった。まあ、長期休暇の度にドイツに遊びに行ったり、クラリッサに至っては普通の休日どころか平日でも夜に転移でこっちに来ることすらあった。
オレや簪、蘭は普通に大学に進学、前世では出来なかったキャンパスライフを楽しみ、卒業後はD×Dに就職。その一年後に簪と籍を入れ、結婚式は三人全員とした。
D×Dは万能航行艦やプラズマジェネレーターを量産する傍らで事業を拡大し、レスキュー用のロボットや培養治療や没入型VRゲームなど様々な分野に手を出していった。こっちには世界の終わりまでの技術がある。これらをきっかけに産まれた新たな技術を掬い上げるのが昔からのオレのやり方だ。
そして火星の領土を求めて始まった第三次世界大戦についてだが、日本はやはりノータッチだ。中立国として動いているというより、関わるなと言われている感じだし、関われないのが実情だ。何故なら地球以外での領土を一切持っていないからだ。精々が傷病人を受け入れたりする程度が限界だ。国としては情けない限り、いや、そうでもなかったな。お隣さんは大事故を何度も起こして国民を殺しまくってるからな。
それから国としては情けないが、国民単体で見るとこの戦争で活躍しているのは日本人が多い。好意的に言えば職人気質、それ以外だと変体気質とでも言えば良いのか、二次元を三次元に作り上げたと言えば良いのか。PTを元にMSを作り上げて、新たな合金を作り上げてスーパーロボットまで作り上げたり。日本の職人に十分な資金と中途半端な資材を与えると碌なことにならないな。中途半端な資材を十分な資金を持ってして捏ね繰り回して技術革新を起こす。日本ではよくある光景だ。最先端の機械よりも超一流職人が手作業で作り出した方が精度が高い変体の国だからな。この戦争の兵器の六割が日本人の作った物だ。手作りというわけではないが、マザーマシンの開発は日本の職人の手作業だ。
そんな第三次世界大戦も開戦から半年で決着が付こうとしている。何事もなければ、中国・韓国・インド連合とそれを支持していたイスラム圏の国々が敗れ、EU連合が勝利するだろう。それと同じぐらいにアメリカとロシアの月の鉱山を廻る戦争がロシアの勝利で終わる。
「元士郎、そろそろ行こうか」
「だな。まあ、近況は報告したからな。ソーナ達と再び巡り合わせてくれた恩は絶対に忘れないからな」
墓への報告を済ませて立ち去る。世界は変わったが今日も争いに満ちている。
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