巡り不変の世界
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する準備もしてたから何も言い返せないんだけど。
「いや、まあ、なんと言うか、そうだな、ガキの頃から、早く大人になりたかった。で、子供だったから大人は油断して汚い裏側を散々見せて、ISの登場で更に人の汚い部分を見せつけられて、嫌になってたのは事実だよ」
実際、この世界の分だけでヒドイものだったからな。前世は更に酷いのを見てきたけど。
「自分以外の誰か、大人と女を本当に信じて良いのか、それが分からなくなった。それどころか、自分もそんな大人達のようになってしまったのではないかと思った。それが嫌になった。だから、人との接触が少なくてすむ山に籠もるようになった。その内、他人の信じ方を忘れた。親父とお袋の間にすら線を引かないと駄目なぐらいに。そんなオレに他人の信じ方を思い出させてくれたのがこっちの更識簪。オレの一番大切な人だ」
「やはり大人のケツは大人が拭かないとね。子供達に拭かせる訳にはいかない」
「本体の肉体年齢は子供だけどね。まあ、精神的には神に近いか」
「神様が直接手を出すと大抵酷い結果にしかならないがな」
艦橋では出撃の最終チェックが行われている。オーフィスの整備は万全だ。あとは、各国から派遣されてきた兵士達の乗艦を待つだけだ。
『こちら、技術班だ。エンジンのリミッターを半分ほど外した。これでショックカノンの威力はざっと10倍だ。最も、それでも本来の30%の威力だけどな。今回のだって過剰過ぎると思うぞ』
「それだけ本体も本気だってことさ。篠ノ之束に本気で怒っているし、本気で家族も守りたいと思っている。だからリミッターをある程度外した。なによりこれで波動砲が使える」
『地球種の伝家の宝刀、本体が宇宙海賊として地球連邦軍に対して反旗を翻すことを決めた悪魔の兵器。存在を否定するために何度も真正面から受けきったよな』
「地球連邦のメンツを徹底的に叩き潰すにはあれが一番有効さ。なんせ、3個艦隊が1隻の艦を落とせないんだ。艦の見た目も劣等人種と見下している種族の艦をモデルにして設計思想まで踏襲しているんだ。それはもう、しつこく追い詰めようとするさ。で、こっちにかかりきりになって他の戦線が疎かになって各地で独立運動が活発にもなった」
「あとは、独立運動を起こしている星系の支援を繰り返して、何時の間にやら大海賊だ。悪巫山戯でドクロの旗も用意したっけ」
「おっと、搭乗が始まったね。部屋を割り振って、艦内を案内してから発進だから、あと6時間ほどだね。その後は軌道上で1日の慣熟訓練の後に決戦だ」
「どういう戦術を取るつもりだ、艦長」
「この艦のモデルになった艦を覚えているだろう?」
「なるほど白兵戦か。だが、あの移動要塞には居ない。どうするつもりだ?」
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