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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
70部分:悪の巣その三
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けた兵士が吹き飛ぶ。
「くっ、裏切りやがったか」
 彼の周りを数人の兵士が取り囲んでいる。その中の一人が呪詛の言葉を漏らした。
「裏切り?貴様等には言われたくはないな」
 イリオスは剣を抜きながら言う。銀の剣だ。
「何?」
「俺はレンスターの為に戦う。貴様等の様に私利私欲の為に悪行の限りを尽くす下賎な輩と一緒にするな」
 構えを取った。レンスターのとある有名な流派の構えだ。
「行くぞ」
 前へ進む。まず前にいた兵士達を斬り捨てる。流れる様な動きだ。
 後ろを向く。兵士達が槍を手に襲い掛かって来る。
「馬鹿め、隙だらけだ!」
 雷球を連続で放った。兵士達は胸や腹にそれを受け床に叩きつけられた。
「所詮は賊か。これでは士官学校の訓練の方がまだましだ」
 そう言うと兵士達の屍を越え前へ進む。そして前から来る賊を斬り捨てた。
 兵士達は混乱していた。地の利を得ている筈の彼等であったが奇襲に戸惑い次々と倒されていく。
「シャナン王子がいるぞ!」
「馬鹿な、牢獄に閉じ込めている筈だ!」
 剣を振るうシャナムの姿を認め兵士達は怯える。慌てて踵を返し階段を登り逃走する。
 一番前の兵士が最上段へ足を掛ける。その時だった。
 前からナイフが飛んできた。ナイフはその兵士の額に突き刺さった。 
 兵士はゆっくりと後ろに倒れる。そしてその速度を次第に速め階段を転げ落ちていく。
「うわっ」
 後続の兵士達は慌ててそれをよける。そしてナイフが飛んできた前方を見る。
「ちぇっ、そのまま巻き込んでくれりゃあいいものを」
 パーンが出てきた。その手には剣が鋼の剣がある。
「こうなったら仕方ねえ。一人ずつ倒していくか」
 そう言いながら悠然と剣を振り上げた。
 要塞内はランツクネヒトの死骸だけが増えていった。今まで主君レイドリックと共に悪行の限りを尽くしていた彼等はろくに訓練もしておらず鍛え抜かれた解放軍の敵ではなかったのだ。そして解放軍は彼等の悪を許しはしなかった。最早それは戦争ではなく征伐であった。

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