極楽マッサージ
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たから、中居さんが入ってきた。
私が素っ裸なのにはさすがに驚いたようだったが、
浴衣の彼が何をやっているのか、すぐ理解したらしく、ポットと茶菓子を交換して出ていった。
あとから考えると顔が真っ赤になるが、その時はなんとも思わなかった。それほど施術が素人ばなれして気持ちよかったのだ。
下半身が終わり、丁寧に体を返された。
全然恥ずかしくなかった。
体幹よりも脚への指圧が多い。
経絡(けいらく)を意識した、プロの指圧だ。
さらに、
筋肉の動きを見るから、と言って、
片足ずつ、自転車こぎのようにゆっくりと曲げていく。
これはさすがに恥ずかしかったが、
左足が攣りやすいよね、と言い当てられたのだから、尊敬の念までいだいてしまった。
◆
すべて終わると、少し汗ばんでいた。
そして、体が少し軽くなったような気がした。
思わず、全裸なのも忘れて立ち上がる。
鏡台で自分の体を見る。悪くないなと思う。
「ありがとう」
素直に彼に言えた。
生まれたままの姿でいることが、嬉しかった。
──そこへ、ノックの音。
「今度はだめ!」
あわてて、浴室へ飛び込んだ。
──────────
小宴会場での夕食でお酒を飲み、部屋でも少し飲んだ。
私は内風呂でかかり湯をし、控え目に香水をつけた。
きちんと下着をつけ、浴衣を着て、浴室を出る。
ぼんやりと灯る、ぼんぼり風のスタンドだけにした部屋。
私と同じ格好で、座椅子にいる彼。
彼は立ち上がった。
優しく抱いて、キス……。
甘い甘い、キス………。
目をつぶっている間に、手が胸に来ると思っていた。
そうはならなかった。
長いキスのあと、なんと、お姫様だっこで、布団に運ばれた。
「夜明けに抱くよ、いいよね」
いいよ……。
答えるかわりに、私の方からキスをした。
彼のほうが先に眠りに落ちた。
私はブラジャーだけ外して、枕元に置いた。
浴衣が少し乱れたが、かまわなかった。
◆
約束通り、夜明けに抱かれた。
乳房を包む彼の手の感触で目が覚めた。
「あ、うう」
一日の始まりの声がこれだ。恥ずかしい。
夜明けというより、未明。
灯りは、ぼんぼりスタンドだけだ。
掛け布団はなかった。
帯を抜かれる。
彼も素肌に浴衣らしい。
昨日のように、立たされるなら、先にショーツを脱ぐべきだろうけど。
あ、違う。
寝たままで前を開かれた。ショーツ全開。暗くてよかった。
なんかこの旅行、ことごとく予想に反するよね、なんて思っている間に、二人分の浴衣は完全に脱ぎ去られた。彼は下着なしだったらしく、すでに全裸だ。
掛け布団はない
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