5,彼女はネームレス、名のない魔導士
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ら、何かしら?」
女性は笑顔でそう言うとスカーは率直に尋ねる。
「ネームレスの古城に行きたい、何処に行けばいい」
「!」
「‥‥何か知って居る様だな」
そう言って金の入った袋を彼女に手渡し、案内を頼むと言う。彼女は嫌な顔をしながら道を案内した。
「ここよ」
案内人は看板の前で立ち止まった。看板には立ち入る事許さず、すぐさま引き返せと書かれている。
「貴方達、今ならまだ引き返せるわ。もう多くの人が帰ってきてないのよ」
「そうか、忠告感謝する、だが行かなければならない」
そう告げ、スカーは森の中へと入って行った。カナも追う様に森に入って行った。
残された女はにやりと笑っていた。
「王よ、今回は上玉ですよ」
しばらく歩くと崖があった。
その向こうにはボロボロの城がポツリと立っていた。
道と成る橋は割としっかりしている、それを渡しきり、ようやく城門の前まで着いたスカー達は門を叩く。
すると声が頭の中に響きだした。如何も魔法の様だ。
『要件は?』
「ネームレスに会いたい」
『私がそうだ、何用か?』
「お前を倒しに来た」
『そうか、では素直に入れるわけにはいかないな』
「開けなければこじ開けるだけだ」
『‥‥』
城門が突如開き、二人は中へと足を踏み入れると一本道の両端に甲冑を着た騎士がずらりと整列していた。
「すごい」
「‥‥」
道をまっすぐ進みながらカナはそう口を漏らすがスカーは何も言わない。
暫く進むとメイドが二人現れた。
「ようこそ、名もなき城へ」
「私はジャック、彼女はリッパ―、王女の元までご案内させていただきます」
そう言ってリッパが先導し、ジャックが最後尾を歩く。
また歩き、扉が見えた、それを開けると豪華な装飾がされた部屋が視界一杯に見える。
そしてその中央に白いドレスを着た女性が一人、スカートを上げ、軽くお辞儀をして名乗る。
「初めまして、可愛らしい魔導士様、私、この古城の主であります、ネームレスと申します、以後お見知り置きを」
カナも彼女に続き、名乗ろうとするがそれをスカーは止める。
「ネームレス、一ついいか?」
「どうぞ? 何か疑問でも?」
「いや、あんたは本物なのか?」
「あら、そのような事をどうして言えるのですか?」
「俺が此処に来るまでに感じた魔力とお前から感じる魔力は全く違う。圧倒的魔力、それを感じない」
「ふむ、抑えているからと思わないのですか?」
「なら出してみろ、直感だがアンタが違うと直ぐに解る」
女は困り果て、カナは状況が読めず、首を傾げていた。
「くふ、くははははっ!」
笑い声が突然部屋に響く。そしてそれが背後から聞こえたのをスカーとカナは気付き、振り返った。
振り返った先には真っ白な肌の白衣の女が立っていた。
「きゃああ
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