第75話 不測
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った頃は生意気な子供だと思ったけど、いつも困った時には文句を言いながらでも助けてくれるサソリ。
どこかでこの『王子様』とサソリの姿と重なる。
どんな困難にも諦めずに立ち向かって相手の裏をかいて逆転してしまう。
頼れる兄のような存在。
ひねくれた性格で物語のように紳士ではないが
「何だよ?見てきやがって」
「何でもないわよ」
「?まあいいか......」
隣で絵本を片手にニヤニヤしながら御坂が資料を読み込んでいるサソリを感慨深げに眺めた。
サソリは御坂の態度に疑問を思いながらも些事だと判断して独り言を呟きながらある仮説の検証に入り始めると今の今まで気にならなかったはずの金髪で瞳がキラキラと輝いた女性が大きな胸を揺らしながら現れた。
「!?うげ」
あまりの嫌悪感に御坂は即座に視界から金髪女性を外した。
「御坂さん」
一回目は目を閉じて聴こえないフリをするが隣に座っているサソリから要らぬお節介が。
「呼ばれてるぞ」
視線を本から外さずに声だけを飛ばすが御坂は梅干しを噛み締めたように苦い顔をしながらサソリ湾内に耳打ちをした。
「余計な事しなくて良いの!」
「何がだよ......」
「良いから!!」
「お、おう」
あまりの御坂の迫力に若干気圧されながらも首を重力に従い傾けた。
女性は明らかに猫撫で声のような声を出しながら「みぃーさぁーかぁさぁーん」と朗らかに馬鹿にするように肩をチョンチョンと指で叩いている。
「図書室内の私語は厳禁」
「あらあら、そっちは話すクセにぃ?」
「うぐ」
「なんかぁー、最近転入生や無所属のコを手籠めにしてるって聞いたんだけどぉー」
「いっ!?」
「?」
何だこの娘?
やたらにちょっかい出してくんな
「一匹狼を気取って影で裏番力をつけてるってコトかしらぁ?」
「そんなんじゃないわよ」
派閥を立ち上げたのは御坂が影で力を誇示する為でもなければ人を良いように操るアンタ達の政争ゴッコとは違う
無茶するサソリを守るための派閥
「御坂さんの取り巻きを私の洗脳力で奪っちゃえばいーんだ」
「!」
「あたしの友達に手ぇ出したら許さないわよ」
御坂の片手にある児童向けの絵本に金髪の女性が注目すると吹き出した。
「あはははぁ、随分幼稚なものを読んでいるわねぇ。だからそんな体型なのよ」
「なっ!?体型はカンケーないでしょ!」
御坂がガタッと椅子から立ち上がると常時上から目線の女性に向けてビリリと雷撃を走らせた。
「さっきから何?喧嘩売ってるわけ?」
「さあね、御坂さんてば私の干渉力が効かないんだモン。やっかいよね電磁バリア」
金髪女性がチェーンが付いたカバンからリモコンを取り出すと『一時停止』を押した。
図書室に居た他の数十名の生徒
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