第75話 不測
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な感じっす?」
「第3位の御坂と第4位の麦野が主要みたいだね。ちょっと無視出来ない勢力かな」
「なるほどっすね〜」
トビアクセラレータは能力を使ってベッドからはね起きると机の引き出しからトランプの束を取り出した。
その中で悪意のある道化師(ピエロ)のイラストが入ったカードを弾いてキャッチした。
「謂わばサソリ先輩はオイラ達が予期しなかったジョーカーっすね。ならはオイラ達も......」
トビアクセラレータはジョーカーのカードをズラすともう一枚月に乗った道化師が現れた。
「こちらもジョーカーを使うっすね〜。裏表になるっすけど」
「影十尾ハドウナッテイル?」
「あと少しで完全復活になりそうだね」
「じゃあ、予定を繰り上げて『暁』とやらを潰すっすかね」
トビアクセラレータは祭り用のメモ帳を指先から炎を飛ばして燃やした。
「六道はどうするの?」
「クク、俺ニ良イ考エガアル。偶然トハイエサソリノ存在ハカナリ好都合ダ」
本日の学園都市の天気は晴れ後曇り、時々雨
******
常盤台中学の膨大な書物を保存してある図書館に大量の本を抱えた御坂が中央に配置されたテーブルの上にどっさりと置いた。
「はいよ」
「ああ」
フワフワとした癖っ毛の強い女性が目付きを鋭くしながら本と睨めっこしていた。
「何か分かった?」
「あと少しで結論が出せる」
「湾内さん達にも手伝って貰った方が良かったかもね」
「オレが化けているんだから無理だろ......それに別件で動いているし」
「それを見越してやっているんじゃない?」
「まあな」
「そこは否定しなさいよ......ん?別件?」
「ああ、レベルが高い奴らと接触しようと思ってな」
「へぇー......大丈夫?」
「そこも含めての判断になる」
湾内に化けたサソリが高速で本を読んである記述がないかを探していた。
知らない用語にぶち当たるたびに別の文献を読んでは彼なりの答えを出そうと思案し続けている。
意味の無い事はしない合理主義のサソリにとって今回の調べものは御坂の言葉による説明は要らないようだ。
割と他の人が調べものをしているのを待っているのって暇ね
持って来た本を一掴みするとするりと薄い絵本が歴史書の間から滑り落ちてきた。
「ん?」
御坂が落ちた絵本の表紙を見てみると『砂漠の王子様』というタイトルの児童向けの絵本だった。
パラパラと暇潰しがてら開いてみるとサソリそっくりの赤い髪の王子が悪の魔女を倒す話で良く作り込まれている作品だった。
サソリそっくりだけど
人助けしたら視えなくなるのか
なんだか切ないけど、最後は一緒になれて良かったわ
御坂は『砂漠の王子様』の絵本を閉じるとチラリと隣にいるサソリ湾内に視線を向けた。
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